Eclipseでは、プロジェクト内のライブラリに、対応するJavadocを関連付けることができます。利用頻度の高いJavadocをライブラリと関連付けて、直観的に呼び出せるようしておけば、開発効率の向上に役立てることができるでしょう。
本稿では、J2SDK 1.4のrt.jar(Javaの標準ライブラリ)とJavadocの関連付けを例に、EclipseでライブラリとJavadocを関連付ける方法を紹介します。
パッケージ・エクスプローラーから[JREシステム・ライブラリー]を選択し、配下のツリーを開きます。この中にある「rt.ja」を右クリックし、コンテキストメニューから[プロパティー]を選択します。
[プロパティー]ウィンドウが開くので、[Javadocロケーション]にJavadocが公開されている、以下のURLを入力します。
・http://java.sun.com/j2se/1.4/ja/docs/ja/api
URLを入力してから[妥当性検査]ボタンをクリックすると、入力したURLが正しいか検証することができます。この検証を行って、以下のダイアログが表示されれば設定は成功です。
注:有効なURLはJavadoc APIの「index.html」および「package-list」ファイルを含んでいなければなりません。
ここで[OK]ボタンをクリックすると、Eclipseのブラウザが立ち上がります。
Javadocを参照する場合には、ソースコードの参照したい部分にカーソルを合わせ、Shift+F2キーを押します(ShiftキーとF2キーを同時に押します)。すると、Eclipseの別ウィンドウが開き、該当するJavadocが表示されます。また、[ナビゲート(N)]メニューから[外部Javadocを開く(J)]を選択することによっても、同様の操作が行えます。
ここでは、下記のソースを使用して実際にJavadocを表示させます。
package to.msn.wings; import java.util.StringTokenizer; public class SampleClass { public static void main(String[] args) { String string = new String("A B C"); StringTokenizer token = new StringTokenizer(string); while (token.hasMoreElements()) { String str = token.nextToken(); System.out.println(str.length()); System.out.println(str); } } }
例えば、Stringクラスにカーソルを合わせてShift+F2キーを押すと、下記のようにStringクラスの説明が表示されます。
次に、Stringクラスのlengthメソッドにカーソルを合わせてShift+F2キーを押すと、lengthメソッドの説明も表示されます。同様に、コンストラクタやフィールドの説明を表示させることもできます。
さらに、import宣言のjava.utilパッケージにカーソルを合わせてShift+F2キーを押すと、java.utilパッケージの説明が表示されます。
インターネット上のJavadocを直接参照する以外にも、ローカルにダウンロードしたファイルを参照することもできます。
ローカルファイルを参照する場合は、[Javadocロケーション]に“file:/C:/java/javadoc/j2sdk-1_4_0-doc-ja/docs/ja/api/”といった形式で指定します。また、[ブラウズ(W)]ボタンをクリックして、指定することもできます。なお、J2SDK 1.4のドキュメントは、Sunのサイトからダウンロードすることができます。
インターネット上で公開されているJavadocの参照には、「設定が簡単」「翻訳の更新や修正が随時反映される」という利点があります。これに対して、ローカル上にダウンロードしたJavadocの参照には「表示が速い」「インターネットに接続していない環境でも使用できる」などのメリットがあります。どちらの設定を利用するかは、こうした特長を踏まえて決めてください。
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