「Webサービス」という言葉は、ほとんどのIT技術者が知る単語になりました。しかし、「Webサービスって何?」と聞くとさまざまな答えが返ってきます。これはWebサービスが多くの技術要素で成り立ち、さまざまな使い方があり、適用範囲が広いためです。そこで、この連載では、この広大なWebサービスの世界すべてを知るのではなく、最も基本となる技術を実際にプログラムを作りながら身に付けていただこうと思います。「SOAPとは何か?」「WSDLとは何か?」など、実際に自分のPCで操作し、動かしながら理解していくことにしましょう。
樋口研究室とは?
トレンドの追っかけから、技術検証まで、コンピュータに関するあらゆる分野でただ知的好奇心を満たすためだけに研究に没頭する技術集団。メンバーが運営するホームページ(以下のURL)もある。
http://www.ibm.com/jp/software/websphere/developer/tips/kouza/index.html
前回「JavaBeansからWebサービスを作る」で作成したWebサービスは皆さんのパソコンで動いたでしょうか? 第3回ではJavaBeansからWebサービスを作り、Webサービス・クライアントでアクセスしてみました。また、JavaアプリケーションとしてもJavaBeansを動かしました。同じJavaBeansを同じような手順で実行したにもかかわらず、なぜか異なる結果になりました。
さて、今回はこの「?」を解きほぐしていきましょう。この解きほぐし方にはさまざまな方法がありますが、今回は2つの方法を使って解析してみましょう。1つは前回のヒントで取り上げたようにJavaBeansに少し細工をしてみます。もう1つはAxisに付属のツールを使ってネットワーク上のSOAPデータをとらえて中身を確認します。
ところで、この連載を始めたときにはベータ3だったAxisは2002年10月7日、ついに1.0がリリースされました。Axisの正式リリースによりJavaにおけるWebサービス実装環境は大きく前進することになるでしょう。Axisをベースとして、Webサービスのさまざまな仕様や規格が実装されていくことが予想されます。
さて、この連載はベータ3をベースにここまで話をしてきました。この先もこのベータ3を基に話を進めていきます。Axis 1.0での構築チャレンジは読者の皆さんでやってみてください。そして、ベータ3から何が変わっているかを探してみるのもいいでしょう。
それでは、今回の本題に入っていくことにしましょう。
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