Novell Nterprise Linux Services 1.0
NNLSの管理機能
■NNLSを管理するiManager
NNLSおよびeDirectoryをWebブラウザで設定・管理する機能が「iManager」である。GUIで各種の操作が可能なほか、eDirectoryでiManagerの管理者をカテゴライズすることにより、レベルに応じた管理権限を設けることができる。例えば、ヘルプデスク担当者にはユーザーアカウントの作成やパスワード変更などの作業のみを許可し、eDirectoryの設定にかかわる作業に権限を与えず、メニュー画面にも表示させないようにできる。
画面10 iManagerのメイン画面(画像をクリックすると拡大表示します) |
■リソースマネジメント
クライアントのリソース管理は管理者にとって頭痛のタネだが、NNLSはこれに対するソリューションとして「Red Carpet Enterprise」を用意した。Red Carpet Enterpriseは、各Linuxクライアントのソフトウェアアップデートやパッチの強制インストールを自動的に行うことができる。Windows UpdateやLinuxのup2dateのように、クライアント側での自主的な操作を必要とせず、ユーザーに意識させずにアップデートを実行できるのだ。ユーザーをグループ化して、グループごとにソフトウェア配布をスケジューリングすることも可能。クライアントだけでなく、サーバの管理にも対応している。
NNLSが対象としているクライアントは、Windowsだけではない。Red Carpet Enterpriseの搭載からも分かるように、Linuxクライアントも想定している。クライアントOSに依存しないWebインターフェイスの採用にも、Linuxクライアントを意識していることがうかがえる。
徹底的に統合されたサーバスイート
前述したように、NNLSはディレクトリサービスを活用することによって、1つのアカウントで一度ログオンするだけで各サービスを利用できるシングルサインオンを実現しているのが魅力である。DirXMLを利用することで既存のディレクトリサービスがそのまま利用できるため、マイグレーション作業を軽減できる点も導入を容易にしている。
対応Linuxディストリビューションが限定されているが、その代わりにパッケージの作り込みがしっかりしている。インストールに際してトラブルが発生する可能性は低く、導入時に「Express install」を選択すれば、後はわずかな対話入力を行うだけでインストールを完了できる。
Webブラウザを介したiManagerを使えば、設定作業も容易になる。configファイルをテキストエディタで編集するような、面倒な作業は必要ない。ただし、この辺りはWebインターフェイスを好むか好まないかで評価が分かれるだろう。筆者はWebインターフェイスを使ったアプリケーションを仕事で開発することもあり、Webブラウザのフォーム入力につきまとう制約を肌で感じている。そのためか、アカウント管理などの重要な作業はWebブラウザよりも専用GUIアプリケーションに一日の長があると考えている。
ノベルプロダクトにSUSE LINUXが加わったのはご存じだろう。SUSE LINUXには、「YaST」という強力な管理ツールが備わっている。Ximian(こちらも最近ノベルプロダクトに加わった)もLinuxデスクトップアプリケーションの開発には多くのノウハウとセンスを持っている。今後はこうしたノウハウを生かして、より洗練された管理ツールが提供されることに期待したい。
画面11 SUSE LINUX Enterprise 8のYaST |
まずは、評価版でNNLSの仕上がり具合を確認してみるのがいいだろう。
http://www.novell.com/linux/download_linux.html (ユーザー登録が必要) |
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