Novell Nterprise Linux Services 1.0
ノベルがNetWareで培ってきた技術をLinuxに移植した本製品。ディレクトリやスケジュール、ポータルサイトなど、イントラネット向けのサービスがこれ1本ですべてそろう。eDirectoryを中心に、統合管理できるのも魅力だ。(編集局) |
2004/8/31 |
Novell Nterprise Linux Services 1.0(以下NNLS)は、ディレクトリ/ファイル/プリント/メールサービス、ポータル、リソースマネジメントといったバックエンドサービスの統合パッケージである。NNLSによってネットワーク上の資源を共有し、作業効率を上げることで、グループ作業をより能率化できる。
これらのバックエンドサービスを個別に導入すると、ユーザー情報が分散してしまったり操作性に一貫性がなくなってしまい、複雑な管理と操作を要求される。NNLSは、同社のディレクトリサービスであるeDirectoryやポータル機能であるVirtual Officeによって、こうした問題を解消している。
NNLSの製品構成
NNLSは、Nterpriseの「N」が象徴しているように、以下のネットワーク関連サービスによって構成されている。
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小規模なグループから大規模な組織まで、NNLS 1つでファイル/プリンタ共有、メールサービスなど、オフィスに不可欠なバックエンドサービスがそろうことになる。各サービスには、今までNovellが提供してきたサービスが使用されているが、パッケージングの巧みさでインストールから運用まで一貫したNNLSという1つのソリューションで提供されている。
NNLSのコアとなるディレクトリサービス
ディレクトリサービスは、ネットワーク上のリソースとその属性を記録し、検索できるようにするシステムである。DNSなども広義のディレクトリサービスといえるが、ここでいうディレクトリサービスは、ユーザーや組織、機器やサービスなどに関する各種の情報を、階層構造を持たせて一元的に管理するものを指す。
例えば、ディレクトリサービスでユーザーのアカウント情報を一元的に管理することにより、システムに一度ログインするだけでファイル共有、Webポータル、メールといった各種サービスが利用できるシングルサインオンを実現する。また、一度の操作で全サービスのアカウント情報を更新できるため、ユーザーの追加や変更が発生するたびに複数のユーザー設定画面を操作するような煩わしさから解放される。
NNLSでディレクトリサービスを担うのが、LDAP準拠の「eDirectory」である。
ディレクトリサービスとしては、OpenLDAPなどの選択肢も存在する。だが、すでにActive DirectoryやNTドメイン(編注)などを導入している環境では、煩雑なマイグレーション作業が必要になる。NNLSには、XML経由で他ディレクトリと同期を行う「DirXML」が搭載されている。これを利用することで、異なるディレクトリサービスとの混在が可能になる。DirXMLでディレクトリサービスを統合することで、eDirectoryに対するユーザー情報の更新がほかのディレクトリサービスにも自動的に反映されるのだ。当然、その逆も可能である。
編注:Windows NT 4.0までの、非Active Directoryドメインを指す。 |
ただし、ディレクトリサービス間の連携を円滑に行うには、DirXMLでビジネスポリシーを構築する必要がある。DirXMLには、標準でeDirectory、Active Directory、NTドメイン用のコネクタが用意されている。
eDirectoryが提供するサービスには、そのほかにメンバー検索機能「eGuide」がある。eGuideにより、メンバーのメールアドレス、所属組織などの情報を検索できる。
画面1 eGuideでメンバー検索(画像をクリックすると拡大表示します) |
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