Novell Nterprise Linux Services 1.0

ノベルがNetWareで培ってきた技術をLinuxに移植した本製品。ディレクトリやスケジュール、ポータルサイトなど、イントラネット向けのサービスがこれ1本ですべてそろう。eDirectoryを中心に、統合管理できるのも魅力だ。(編集局)

製品名:   Novell Nterprise Linux Services 1.0
価格:   オープンプライス
(推定市場価格:新規1ユーザー当たり8300円)
発売日:   2004年7月28日
販売元:   ノベル
URL:   http://www.novell.com/ja-jp/products/linuxservices/
鶴長 鎮一
2004/8/31

 Novell Nterprise Linux Services 1.0(以下NNLS)は、ディレクトリ/ファイル/プリント/メールサービス、ポータル、リソースマネジメントといったバックエンドサービスの統合パッケージである。NNLSによってネットワーク上の資源を共有し、作業効率を上げることで、グループ作業をより能率化できる。

 これらのバックエンドサービスを個別に導入すると、ユーザー情報が分散してしまったり操作性に一貫性がなくなってしまい、複雑な管理と操作を要求される。NNLSは、同社のディレクトリサービスであるeDirectoryやポータル機能であるVirtual Officeによって、こうした問題を解消している。

NNLSの製品構成

 NNLSは、Nterpriseの「N」が象徴しているように、以下のネットワーク関連サービスによって構成されている。

 
コンポーネント
サービス
eDirectory/DirXML ディレクトリサービス
iFolder/Samba ファイルサービス
iPrint プリントサービス
NetMail メッセージングサービス
Virtual Office ポータルサービス
Red Carpet Enterprise リソースマネジメント

 小規模なグループから大規模な組織まで、NNLS 1つでファイル/プリンタ共有、メールサービスなど、オフィスに不可欠なバックエンドサービスがそろうことになる。各サービスには、今までNovellが提供してきたサービスが使用されているが、パッケージングの巧みさでインストールから運用まで一貫したNNLSという1つのソリューションで提供されている。

NNLSのコアとなるディレクトリサービス

 ディレクトリサービスは、ネットワーク上のリソースとその属性を記録し、検索できるようにするシステムである。DNSなども広義のディレクトリサービスといえるが、ここでいうディレクトリサービスは、ユーザーや組織、機器やサービスなどに関する各種の情報を、階層構造を持たせて一元的に管理するものを指す。

 例えば、ディレクトリサービスでユーザーのアカウント情報を一元的に管理することにより、システムに一度ログインするだけでファイル共有、Webポータル、メールといった各種サービスが利用できるシングルサインオンを実現する。また、一度の操作で全サービスのアカウント情報を更新できるため、ユーザーの追加や変更が発生するたびに複数のユーザー設定画面を操作するような煩わしさから解放される。

 NNLSでディレクトリサービスを担うのが、LDAP準拠の「eDirectory」である。

 ディレクトリサービスとしては、OpenLDAPなどの選択肢も存在する。だが、すでにActive DirectoryやNTドメイン(編注)などを導入している環境では、煩雑なマイグレーション作業が必要になる。NNLSには、XML経由で他ディレクトリと同期を行う「DirXML」が搭載されている。これを利用することで、異なるディレクトリサービスとの混在が可能になる。DirXMLでディレクトリサービスを統合することで、eDirectoryに対するユーザー情報の更新がほかのディレクトリサービスにも自動的に反映されるのだ。当然、その逆も可能である。

編注:Windows NT 4.0までの、非Active Directoryドメインを指す。

 ただし、ディレクトリサービス間の連携を円滑に行うには、DirXMLでビジネスポリシーを構築する必要がある。DirXMLには、標準でeDirectory、Active Directory、NTドメイン用のコネクタが用意されている。

 eDirectoryが提供するサービスには、そのほかにメンバー検索機能「eGuide」がある。eGuideにより、メンバーのメールアドレス、所属組織などの情報を検索できる。

画面1 eGuideでメンバー検索(画像をクリックすると拡大表示します)

 
1/3

Index
Novell Nterprise Linux Services 1.0
Page 1
NNLSの製品構成
NNLSのコアとなるディレクトリサービス
  Page 2
柔軟なファイルサービス
IPP準拠のプリントサービス
スケジュール管理も可能なメッセージングサービス
WebブラウザでNNLSを利用できるポータルサービス
  Page 3
NLLSの管理機能
 NLLSを管理するiManager
 リソースマネジメント
徹底的に統合されたサーバスイート

Linux Squareプロダクトレビュー


 Linux Squareフォーラム 製品情報・レビュー関連記事
特集:2007年、Linuxディストリビューションの歩みを振り返る
商用、非商用ともにメジャーバージョンアップが相次いだ2007年。主なディストリビューションを取り上げ、アップデート内容を紹介します
プロダクトレビュー[Ubuntu 7.10 日本語ローカライズド Desktop CD]
海外のみならず日本国内でも人気急上昇中のUbuntu。優れたインターフェイスを備えるとともに、豊富な機能がコンパクトにパッケージされている
特集:業務で使うデスクトップLinux カタログ
定型業務さえこなせればよいという部門も多い企業環境は、コンシューマ市場以上にLinuxへの移行が容易ともいえる。そこで、6つのLinuxディストリビューションを紹介する
特集:Linuxで動くリレーショナルデータベース・カタログ
データベースサーバのOSとしてLinuxを採用するケースが増えている。Linuxで動作する7つの主なリレーショナルデータベースを紹介する。製品導入の際の参考にしてほしい
特集:Windowsで動くXサーバ・カタログ
やや特殊な用途に用いられてきたXサーバだが、活用しだいでは普通の管理用途にも有用だ。そこで、Windowsで動作する6本のXサーバを紹介する。選択の参考にしてほしい
特集:Linuxで動くJavaアプリケーションサーバ・カタログ
アプリケーションサーバは、いま最も開発競争が激しいジャンルの1つだ。その中から、Linuxに対応する5つの商用製品を紹介する。製品導入の際の参考にしてほしい
特集:Linuxで動くWebグループウェア・カタログ
Linuxを業務用サーバに採用するケースも増えている。そこで、Linuxをサーバとして利用するWebベースのグループウェアを紹介しよう

MONOist組み込み開発フォーラムの中から、Linux関連記事を紹介します


Linux & OSS フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Linux & OSS 記事ランキング

本日 月間