Linuxで動く便利ツール
Webインターフェイスから手軽に監視
「Nagios」
北浦 訓行
2008/8/8
Nagiosの設定と起動
Nagiosを使用するためには、いくつかのファイルを編集しなければなりません。最初に、テキストエディタで/usr/local/nagios/etc/objects/contacts.cfgを開いて、emailの行に管理者のメールアドレスを入力します。
define contact{ |
デフォルトでは、/usr/local/nagios/etcディレクトリにcgi.cfg、nagios.cfg、resource.cfgの3つの設定ファイルが作成されます。cgi.cfgはWebインターフェイスの設定を定義するファイル、nagios.cfgはNagios本体の制御を設定するファイル、resource.cfgはプラグインやリソースハンドラの位置などを指定するファイルです。
この中で、設定を変更する可能性が高いのはnagios.cfgです。例えば、監視するサーバの定義を別ディレクトリに配置する場合は、
#cfg_dir=/usr/local/nagios/etc/servers |
cfg_dir=/usr/local/nagios/etc/servers |
のように変更して、/usr/local/nagios/etcディレクトリの下にserversというサブディレクトリを作成します。そして、/usr/local/nagios/etc/serversディレクトリ内に、server1.cfg、server2.cfgのようにサーバの定義ファイルを保存します。
監視するホストやサービス用の定義ファイルは、各自で作成しなければなりません。書式や定義内容については、NagiosのWebサイトにあるドキュメントや.cfgファイルを参照してください。以下の定義(ここでは/usr/local/nagios/etc/servers/svr1.cfg)は一例です。
define host{ |
また、/usr/local/nagios/etcディレクトリには、objectsというサブディレクトリがあり、そこには定義のテンプレートなどのファイルが保存されています。定義の内容は、各ファイルを開いて確認してください。
NagiosのWebインターフェイスを動作させるために、以下のコマンドを実行してSELinuxの設定を変更してください。
# chcon -R -t httpd_sys_content_t /usr/local/nagios/sbin/ |
通常、Nagiosのような監視ツールは、監視対象となるサーバとは別のサーバにインストールします。しかし、テストなどの目的で、両者を同一のサーバにインストールした場合は、/etc/httpd/conf.d/nagios.confを以下のように修正してください。修正個所は2カ所あるので、両方を修正します。
# Allow from 127.0.0.1 |
Allow from 127.0.0.1 |
修正が完了したら、Apacheを再起動します。
# /sbin/service httpd restart |
すべての設定が完了したら、以下のコマンドを実行して構文に誤りがないかどうかを確認します。
# /usr/local/nagios/bin/nagios -v /usr/local/nagios/etc/nagios.cfg |
問題がなければ、Nagiosを再起動します。
# /sbin/service nagios restart |
Nagiosによる監視
Nagiosの監視内容を表示するには、Webブラウザを開いて、http://localhost/nagios/にアクセスします。すると、ユーザー認証のダイアログボックスが表示されますから、[ユーザ名]ボックスに「nagiosadmin」、[パスワード]ボックスにnagiosadminのパスワードを入力して[OK]ボタンをクリックします。すると、Nagiosの画面が表示されます。
画面1 Nagiosの初期画面。日本語パッチを適用したため、メッセージが日本語で表示されている |
画面左の[Monitoring]にある各項目をクリックすると、その内容が表示されます。[Service Detail]では、監視対象となっているホストとサービスの一覧を表示します。
画面2 [Monitoring]項目の[Service Detail]画面 |
[Host Detail]では、監視対象となっているホストの一覧を表示します。サービスについては表示されません。
画面3 [Monitoring]項目の[Host Detail]画面 |
[Host Detail]画面でホスト名のリンクをクリックすると、そのホストの詳細情報が表示されます。
画面4 ホスト情報の詳細表示画面 |
Nagios 3.0では、約40種類のマクロが追加されるなど、多岐にわたる変更が施されています。また、パフォーマンスの向上やドキュメントの整備なども行われています。Nagios 3.0の新機能や変更点については、ChangelogやWhat's New in Nagios 3を参照してください。
@IT関連記事 これまで掲載された記事の中から、Nagios関連のものを紹介します ■NagiosでWebサーバを頑丈にする方法(Master of IP Network) ■Webサーバの監視 〜その3- NagiosのコンフィグファイルとICMPを設定する〜(Master of IP Network) ■SELinuxのお行儀を監視する――MRTG/Nagios編(Security&Trust)< |
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