Linuxで動く便利ツール
Webインターフェイスから手軽に監視
「Nagios」
北浦 訓行
2008/8/8
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概要
Nagiosは、ホストやそのホストで稼働しているサービスを定期的に監視して、異常を検知した場合には管理者にメールなどで通知を行う統合監視ツールです。元々は「NetSaint」という名称で開発が行われていましたが、開発終了に伴い、後継としてNagiosの開発プロジェクトがスタートしました。
Nagiosは、稼働監視をプラグインが行い、Nagios本体はプラグインのスケジューリングなどを行うという構造になっています。従って、ホストなりサービスを管理する場合は、それに対応したプラグインが必要となります。Nagiosのプラグインは30種類以上用意されていますが、独自に開発することも可能です。その方法は、NagiosのWebサイトで公開されています。
プラグインは、対象を外部から監視するため、不定期なイベントを監視することはできません。そのため、管理対象のホストにインストールして、Nagiosに状態をレポートするアドオンプログラム(NRPE、NSCA、NDOUtilsなど)も用意されています。また、第三者が開発したアドオンも存在します。
Nagios本体のインストール
Nagiosは、多くのディストリビューションでパッケージが用意されています。ただし、本稿執筆時点では、FedoraやUbuntuには旧バージョン(2.11)しか用意されていません。そこで、最新のNagios 3.0.3をtarボールでインストールします。
Nagiosをインストールするためには、Apache、GCC、GDライブラリが必要です。Fedora 9をデフォルトのオプションでインストールした場合、それらのパッケージがインストールされていないため、以下のコマンドでインストールします。
# yum install httpd gcc glibc glibc-common gd gd-devel |
次に、最新のNagiosおよびプラグインをダウンロードします。最新版は、本体がnagios-3.0.3.tar.gz、プラグインがnagios-plugins-1.4.12.tar.gzです。また、Nagiosはパッチを当てることによって、日本語化することができます。必要な場合は、Nagios-JPプロジェクト(http://sourceforge.jp/projects/nagios-jp)から、日本語化パッチ(ここではnagios-3.0.3-ja-utf8.patch.gz)をダウンロードしておいてください。
ダウンロードが完了したら、まずはNagios用のユーザーアカウントやグループを作成します。
# useradd -m nagios |
次に、Nagiosの外部コマンド用グループを作成し、NagiosとApacheのユーザーアカウントをメンバーに加えます。
# groupadd nagcmd |
Nagiosのtarボールを展開して、ダウンロードしておいた日本語化パッチを適用し、コンパイルします。
$ tar zxf nagios-3.0.3.tar.gz |
コンパイルが完了したら、rootになってインストールします。
$ su |
続いて、Webインターフェイス用のアカウント(ここでは「nagiosadmin」)を作成します。
# htpasswd -c /usr/local/nagios/etc/htpasswd.users nagiosadmin |
以上でNagiosの設定は完了です。Webインターフェイス用のアカウントを有効にするため、Apacheを再起動します。
# /sbin/service httpd restart |
プラグインのインストール
続いて、Nagiosのプラグインをインストールします。ダウンロードしたtarボールを展開して、コンパイルしてください。
$ tar zxf nagios-plugins-1.4.12.tar.gz |
コンパイルが完了したら、rootになってインストールします。
#$ su |
以上でプラグインのインストールは完了です。
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