
第1回 これだけは知っておきたい! 必須コマンド20(前編)
北浦 訓行
2009/4/20
覚えておきたいコマンド集
WindowsやLinuxでは、グラフィックカードのトラブルなどが原因で、GUI画面が起動しなくなる場合があります。また、実現したいことによっては、GUI画面よりもコマンドで処理した方が簡単または早いこともあります。
ここでは、Linuxを使用するに当たって覚えておきたいコマンドを20個抜き出し、その機能や使用例を紹介します。
コマンド | 機能 |
cat | ファイルを結合して出力する |
cd | ディレクトリを移動する |
cp | ファイルをコピーする |
date | 日付や時間を表示・設定する |
diff | ファイルを比較する |
df | ディスクの空き容量を表示する |
exit | シェルを終了する(ログアウトする) |
grep | 文字列を検索する |
kill | プロセスを終了する |
ls | ディレクトリの内容を表示する |
man | コマンドのマニュアルを表示する |
mkdir | ディレクトリを作成する |
more | ページごとにファイルの内容を表示する |
mv | ファイルの移動およびファイル名の変更を行う |
nkf | 文字コードを変換する |
ps | 実行中のプロセスを表示する |
pwd | カレントディレクトリを表示する |
rm | ファイルを削除する |
su(sudo) | ユーザーを変更してシェルを起動する |
vi | テキストエディタを起動する |
●cat
catは、指定したファイルを順番に表示するコマンドです。
$ cat file1 file2 > file3 |
とはいうものの、catは一般的にファイルの内容を表示する場合に使用されます。以下のコマンドを実行すると、file1の内容が画面に表示されます。
$ cat file1 |
●cd
cdは、ディレクトリを移動する場合に使用するコマンドです。cdの後に移動先のディレクトリを指定します。
$ cd doc |
多くのLinuxディストリビューションでは、bashのプロンプトで現在のディレクトリ名が表示されるようになっています。例えば、userというユーザーIDのユーザーがログインすると、以下のようなプロンプトが表示されます。localhostの右に表示されているのが、現在のディレクトリ名です。この場合は、現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)がホームディレクトリなので、ユーザーIDと同じuserというディレクトリ名が表示されています。
[user@localhost user]$ |
例えば、ここでdocというディレクトリに移動すると、プロンプトの表示もdocに変わり、現在のディレクトリがdocに変わったことを示します。
[user@localhost user]$ cd doc |
●cp
cpは、ファイルをコピーするコマンドです。また、ディレクトリをコピーすることも可能です。
$ cp file1 file2 |
●date
dateは、現在の日付や時刻を表示したり、日付や時刻を設定するコマンドです。単にdateコマンドを実行すると、現在の日付と時刻が表示されます。
$ date |
もし、日本語が表示できない環境(例えばコンソール画面など)の場合は、以下のように英語表記で表示されます。
$ date |
日付や時刻が間違っている場合は、-sオプションを指定して正しい値を設定することができます。ただし、日付や時刻の設定にはroot権限が必要になります。その場合は、suコマンド(Ubuntuの場合はsudoコマンド)でroot権限を取得してからdateコマンドを実行してください。
$ sudo date -s 18:00 |
●diff
diffは、2つのファイルを比較するコマンドです。例えば、2つのテキストファイルを比較して、違いを表示する場合などに便利です。
$ diff sample1.txt sample2.txt |
ファイルに違いがある場合は、次のように異なる場所(行)が表示されます。
$ diff sample1.txt sample2.txt |
diffでは、ディレクトリ同士を比較することもできます。例えば、docディレクトリとdoc2ディレクトリを比較した場合、ディレクトリ内のファイル名に違いがあると、次のように表示されます。
$ diff doc doc2 |
●df
dfは、ファイルシステム(ディスク)の使用状況を表示するコマンドです。dfコマンドでは、マウントされている全ファイルシステムが表示されますから注意してください。下記の例では、/に使用されている/dev/sda1の空き容量に注意が必要です。
$ df |
dfコマンドでは、1ブロック=1024バイトで容量が表示されます。しかし、これでは容量を直感的に理解するのが難しいため、-hオプションを付けるといいでしょう。すると、以下のように分かりやすい表示になります。
$ df -h |
●exit
exitは、シェルを終了するためのコマンドです。GNOME端末のようなターミナルエミュレータ上でexitコマンドを実行すると、シェルが終了してターミナルエミュレータのウィンドウが閉じます。コンソール(tty)の画面でexitコマンドを実行すると、ログアウトします。
$ exit |
●grep
grepは、文字列を検索するためのコマンドです。検索対象のファイルを指定することもできますし、画面に表示される結果に対して検索を掛けることも可能です。
$ grep "Ubuntu" ~/txt/sample.txt |
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