OpenELAは、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)互換のLinuxディストリビューションを構築するISV、IHV、プロセッサメーカー、独立系開発者向けに、RHELの新バージョンのリリースから数日以内に、最新ソースを提供する取り組みを開始した。
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Open Enterprise Linux Association(OpenELA)は2024年7月12日(米国時間)、Red HatのLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)の新バージョンが公開されてから数日以内に「Enterprise Linux」の新しいソースを利用可能にする自動化プロセスを開始した。
RHELの最新リリースである「RHEL 9.4」と「RHEL 8.10」のパッケージは現在、OpenELAのGitHubリポジトリで入手できる。
OpenELAは、オープンソースのEnterprise Linuxディストリビューションの開発者による業界団体であり、CIQ、Oracle、SUSEの3社によって2023年8月に設立された。RHEL互換ディストリビューションの開発を推進している。
CIQのCEOで、OpenELAの創設メンバーであるグレゴリー・カーツァー氏は「RHELのダウンストリームビルドの作成に関心のある人なら、誰でもOpenELAのリポジトリにアクセスし、必要なソースを入手できる。われわれは実際のビルドを作成するのではなく、ソースへの信頼できるアクセスを提供するだけなので、オープンソースエコシステム全体が、Enterprise Linuxビルドの開発と提供を加速させることができるように、迅速に動いてサポートできる」と説明している。
SUSEのCTO(最高技術責任者)室のメンバーで、OpenELAの創設メンバーであるアラン・クラーク氏は、「オープンソースコミュニティーはOpenELAによって、最新のEnterprise Linuxのソースに迅速かつ確実にアクセスできるようになった。これは、われわれがOpenELAのミッションの中心である、これらのオープンソースコンポーネントを世界と共有することを、実践している現れだ」と述べている。
「Oracle Linux」の開発責任者で、OpenELAの創設メンバーであるヴィム・コカーツ氏は、OpenELAにおける自動プロセスの意義を次のように解説している。
「OpenELAは、ダウンストリームディストリビューションのビルドプロセスの自動化に取り組んでいる。ユーザーがEnterprise Linuxの最新バージョンの利点をできるだけ効率的に活用できるようにするためだ。高品質のソースコードにEnterprise Linuxコミュニティーが簡単にアクセスできるようにすることで、組織や個人がビルドの作成を効率化するとともに、信頼できる安全なソースからコードを入手できるという安心感を得ることができる」
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