Linux Square
第2回 読者調査結果発表
〜Webアプリケーションに必須のLinuxツールは?〜
小柴豊
アットマーク・アイティ マーケティングサービス担当
2000/12/12
ビジネスにおけるLinuxといえばサーバ系、特にApacheやsendmail に代表されるインターネットサーバ分野でその活用が進んでいることが前回調査から明らかになった。この分野でのアドバンテージを拡張すると、ブラウザ←→Webサーバ←→データベースを連動させる「Linux Webアプリケーション」に向かうのが自然の流れといえるだろう。
これからLinuxでWebアプリケーションを開発する読者も多いと思うが、Apacheが揺るぎないシェアを固めているWebサーバは別として、フリー/商用問わず多様な製品が出そろったデータベース(以下DB)や、サーバ間を連動させるプログラム言語では、どのようなツールを選べばよいのだろうか? 第2回Linux Squareフォーラム・アンケートの結果から、Webアプリ開発の“定番”ツールを検証しよう。
DB:全体をリードするPostgreSQL、業務系で迫るOracleまず読者が勤務先で使用しているLinux DB製品について。一口にDBといっても、その適用内容により製品選択が異なると思われるため、Web連携システムを大きく「ECなどの業務システム」と「BBSなどのコミュニケーション」に分けて聞いてみた(参考までに「社内勘定系」「社内情報系」についても尋ねた)。その結果は、
- Web連携コミュニケーションでは、PostgreSQLの一人勝ち
- Web連携業務システムでは、PostgreSQLとOracleがシェアを争う
という状況となった。フリーで完全なソースが利用できるPostgreSQLがLinux との相性の良さで多く使われる中、ECなどミッションクリティカルな場面ではOracleの信頼性が求められているようだ。
図1 現在使用しているLinuxデータベース製品(複数回答) |
下の図2は併せて聞いた今後のDB製品使用意向の結果である。これを見るとWeb連携業務システムではOracle利用意向がPostgreSQLを上回っているほか、DB2などほかの商用DBの支持も高まっている。またコミュニケーション系では、PostgreSQL同様フリーのMySQLのポイントも高い。Linux DB市場は、2極構造から次第に多様性を増していくように思われる。
図2 今後使用したいLinuxデータベース製品(複数回答) |
参考記事:連載「PostgreSQLで作るLinuxデータベース」開発言語: Java+新世代スクリプト言語がPerlを超える?
次にWebサーバとDBを結びつける開発言語について。現在読者の約4割がLinux上で“Perl”を使った開発をしており、“PHP”がそれに続くという状況だ。しかし今後使用したい言語を見ると、Perlのポイントは大きく低下し“Java”への支持が急増している。この背景には、JSP/Servletなど「サーバサイドJava」機運の盛り上がりがあると思われる。
また現在に引き続き使用意向が高いPHPのほか“Ruby”への注目も集まっており、Javaと同時にこうした新世代スクリプト言語が今後のLinux開発を支えていくことになりそうだ。
図3 Linux上で現在使用している/今後使用したい開発言語(複数回答) |
参考記事:連載 「PHPで作るWeb-DBシステム」開発ツール:JBuilderに注目集まる
開発言語と関連して、Linux上で稼働するRAD開発ツールの使用意向についても押さえよう。前記のJava指向を証明するように、読者の7割もがJava開発ツール“JBuilder”を使ってみたいと答えている。Java開発ツール自体はほかにも数多くあるが、いち早くLinuxに対応したJBuilderはLinux開発者の間でマインドシェアを高めるチャンスを握っているようだ。
図4 Linux上で今後使用したい開発ツール(複数回答) |
参考:JBuilder4 レビュー記事+JBuilderを使ったJava入門記事
- [プロダクトレビュー]JBuilder 4の新機能を検証する
- 連載:いまから始めるJava入門(1)とにかくJavaをはじめてみよう!
- 連載:いまから始めるJava入門(2)Javaってどうやって動くの?
- 調査方法:Linux SquareサイトからリンクしたWebアンケート
- 調査期間:2000年10月25日〜11月10日
- 有効回答数:127件
Linux Square読者調査 |
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