Redisは、ディスク上で永続化が可能なインメモリデータベースの最新版「Redis 8」の一般提供を開始した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Redisは2025年5月1日(米国時間)、ディスク上で永続化が可能なインメモリデータベース「Redis」の最新版「Redis 8」の一般提供開始を発表した。Redis 8はDocker Hub、snap、brew、RPM、APTで入手可能だ。
Redis 8では新機能が追加され、30以上のパフォーマンス改善が施されている。また、ライセンスオプションとして、Open Source Initiative(OSI)によりオープンソースライセンスとして認定されている「GNU AGPLv3」(Affero General Public License Version 3)が追加された。
Redisはこれに伴い、Redisの無償製品の名称を「Redis Community Edition」から「Redis Open Source」に変更した。Redisはこれまで、コミュニティーが提供するRedis Community Editionと「Redis Stack」の2つの系列で開発されてきたが、Redis Open SourceディストリビューションにRedis Stackが統合された。Redisの全てのモジュールがこのディストリビューションに含まれるようになった。
Redisはもともと、3条項BSD(3-clause Berkeley Software Distribution)ライセンスの下でオープンソースプロジェクトとしてリリースされていたが、2024年3月に「RSALv2」(Redis Source Available License)と「SSPLv1」(Server Side Public License)のデュアルライセンスに移行し、オープンソース製品ではなくなっていた。
Redisは、AGPLv3をライセンスオプションとして追加した理由について、「一部の顧客から『OSIが認定したライセンスで運用する方が簡単だ』という声が出ていたため」と説明している。また、ライセンスに関するWebページに、各ライセンスの詳細や、Redis Open SourceとRedis SoftwareおよびRedis Cloudの比較を掲載している。
Redisは、Redis 8の特徴として以下を挙げている。機能強化点の一部は、Redis Stack技術の統合によるものだ(JSON、時系列、確率的データ構造の追加、クエリエンジンの強化など)。
Redis 8では、8つのデータ構造が追加された。その内訳は、ベクトルセット(β版)、JSON、時系列、確率的データ構造(Bloomフィルター、Cuckooフィルター、Count-minスケッチ、Top-k、t-digest)だ。これらの新しいデータ構造は、現在のユースケースをよりよく解決し、次世代の高速なリアルタイムアプリを構築するのに役立つとしている。
キールックアップにとどまらない高速なデータアクセスを可能にする。Redis 8では、ハッシュやJSONデータ構造に存在するデータのセカンダリーインデックスを作成できる。ハッシュやJSONドキュメント内のデータポイントを表すベクトル埋め込みも保存可能になった。これにより、クエリエンジンをベクトルの類似検索に活用できる。
新しいデータ構造に対応したACLカテゴリーが導入され、既存のACLカテゴリーには、新しく追加されたデータ構造をサポートするコマンドが含まれるようになった。
Redisのパフォーマンスが以下のように改善された。
Redis 8は、パフォーマンスと信頼性の高い主要なオープンソースクライアントライブラリで完全にサポートされている。その中にはJedis、Lettuce、go-redis、node-redis、Redis 8の新しいデータ構造をサポートするC#ライブラリ、redis-pyが含まれる。
また、Redis OMクライアントライブラリにより、オブジェクトマッピング技術を使ってデータをマッピングできる。
Redis 8とともに提供されるRedisベクトルライブラリ(RedisVL)は、生成AI(人工知能)アプリの構築をサポートする多くの機能を備えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.