実験
中古PC活用講座パート2【RAID構築編】
4. ソフトウェアRAIDの構築−−パーティションの構築
澤谷琢磨
2002/03/30
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![](/fpc/experiments/011raid4oldpc/raid4oldpc-m.jpg)
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パーティション構成が決まったので、Linuxを実際にインストールする段階に移ろう。まずはソフトウェアRAIDによるRAIDボリュームへのLinuxインストールを行う。導入の手順は大まかに分けて以下の3段階になる。
- RAID用パーティションの構築
- ソフトウェアRAIDボリュームの作成
- インストール後の動作確認
以降、ソフトウェアRAID用のデバイス・ドライバを用いて、RAID 1ボリュームにRed Hat Linux 7.2を導入する方法について紹介する。本稿では、RAID構築以外のインストール手順については割愛させていただく。Red
Hat 7.2のインストール手順は、Red Hat提供の資料「オフィシャル
Red Hat Linux x86 インストールガイド」に、画面写真付きで詳しく解説されているので参照していただきたい。
1.RAID用パーティションの構築
Linuxの標準ツール(util-linux、raidtools)を用いてRAIDを構築するのは、パーティションを分割した後に各パーティションごとにファイル・タイプの変更を行わなければならないなど、骨の折れる作業となる(実はLinuxのインストールが済んだ後にソフトウェアRAIDを再構築する場合は、これは避けて通れない道となる)。しかし、Red
Hat Linux 7.2のインストール時に関しては、インストーラ専用のパーティショニング・ツール「Disk Druid」で、ソフトウェアRAID用パーティションの作成とRAIDボリュームの確保を連続して行えるため、敷居はぐっと低くなる。
Red Hat Linux 7.2のインストーラは、パーティション設定法として3つの方法を提供しているが、ソフトウェアRAIDを有効にするためには、「ディスクパーティーション設定」画面で、2番目のオプションである「Disk
Druidを使用して手動でパーティーションを設定」を選ぶ必要がある。次に示す画面「ディスクの設定」は、「Disk Druidを使用して手動でパーティーションを設定」を選んだ後に表示される、Disk
Druidの表示画面である。
![大きな画面へ](partition_s.gif) |
「ディスクの設定」画面 |
Linuxインストール時のソフトウェアRAID構築はすべて、Disk
Druid(ディスクの設定)において行うことになる。Disk Druid上でRAIDドライバ用のパーティションを構成したうえで、各パーティションをRAIDボリュームとして設定、RAIDボリュームにファイルシステムを構築するという手順を踏む。画面は「ディスクの設定」を表示したところである。 |
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![](/fpc/images/01.gif) |
RAID用のパーティションを作成するには「新規」ボタンを押す |
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![](/fpc/images/02.gif) |
パーティションを束ねてRAIDボリュームとするには「RAID 作成」ボタンを押す |
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LinuxのソフトウェアRAIDドライバ(md)は、RAIDボリュームのために専用のパーティションを必要とする。専用といっても、ユーザーから見える相違点は、md用のパーティションと通常のLinux用パーティションとのパーティション・タイプ(前者は0xfd、後者は0x82)が異なるというだけだ。Disk
Druidでは、「新規」−「ファイルシステムタイプ」を変更することで、パーティションをRAID専用に変更できる。
![](/fpc/experiments/011raid4oldpc/partition_make.gif) |
「新規」ボタンを押すと表示されるパーティション作成画面 |
ここではRAID用パーティションの構築を行う方法を、/bootとして割り当てる予定の20MbytesのRAIDボリュームで説明しよう。 |
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![](/fpc/images/01.gif) |
まず「ファイルシステムタイプ」で「software RAID」を選ぶ。自動的に「マウントポイント」は「<利用不可>」に切り替わる |
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![](/fpc/images/02.gif) |
「選択可能なドライブ」において、パーティションを作成したいハードディスク名を反転させる。同じ作業を、もう一方のハードディスクについても行う |
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![](/fpc/images/03.gif) |
「容量(MB)」において、パーティションのサイズを決定する |
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![](/fpc/images/04.gif) |
ここで作成するRAIDボリュームは、最終的に/bootとして割り当てる予定なので、パーティションはディスクの先頭にある方が望ましい。そこで「第一パーティーションとして強制指定」を選ぶ |
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Disk Druidでは、画面「Disk druidにおいて表示されるパーティション構成」に示すとおり、各パーティションにそれぞれ割り当てられるデバイス番号はパーティションのサイズ別で決まるため、マニュアルで指定できない。ただし、ディスクの先頭(アドレス上の先頭のこと)に置くパーティションだけは指定できるので、この機能を用いて、/bootに割り当てるRAIDボリュームの元となるパーティションを、「hde1」と「hdg1」に強制的に変更する。ほかのパーティションについては、Disk
Druidがデフォルトで設定したとおり用いることにした。
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