実験
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本記事の1.〜3.ではRAID構築のためのハードウェア/ソフトウェア構成について、また4.〜6.ではソフトウェアRAIDの構築について、それぞれ解説してきた。ここからは、ハードウェアRAIDの構築を試してみよう。Red Hat Linux 7.2へのFastTrak TX2000の導入は、次の3段階で行う。
- FastTrak TX2000のBIOSセットアップにおけるRAID 1ボリュームの構築
- FastTrak TX2000用デバイス・ドライバの準備
- デバイス・ドライバのインストール
FastTrak TX2000の導入が完了すれば、あとは通常のRed Hat Linux 7.2のインストールと同じである。逆にいえば、この3段階がハードウェアRAIDの構築のポイントとなるわけだ。
1.FastTrak TX2000のBIOSセットアップにおけるRAID 1ボリュームの構築
FastTrak TX2000によるRAID 1ボリュームの構築はOS(Windows 2000かLinux)によらず手順は同じである。そこでRAID 1ボリュームの構築については、「特集:IDE RAID実践導入術【低価格IDE RAIDカード編】 2.IDE RAIDの構築手順」を参照していただきたい。
2.FastTrak TX2000用デバイス・ドライバの準備
次にFastTrak TX2000のLinux用デバイス・ドライバを入手する。FastTrak TX2000のサポート対象OSの中にLinuxは含まれているが、Windows用以外のデバイス・ドライバは製品に添付されておらず、別途Promise TechnologyのWebサイトからダウンロードする必要がある(Promise Technologyのダウンロード・サイト)。
Red Hat Linux 7.2のインストーラには、カーネルに付属しないデバイス・ドライバを、インストール時にフロッピーディスクからインストールする手続きが用意されている。FastTrak TX2000用のフロッピーディスクは、上記URLからダウンロードしたファイル(rhup-ftb14.tgz)を展開することで作成できるのだが、ここで問題になるのは、このファイルがtgz(tar+gzip)形式で配布されているという点だ。手近にLinuxが稼働しているPCがあれば別だが、ない場合はtgzを展開するためのユーティリティが別途必要になる(Windowsの標準ツールでは展開できない)。
tgz形式の展開は、Windows版のgzipとtarを持ち出さなくても、WinZipなどの解凍/展開ツールがtgz形式をサポートしているので、こういったものをまず入手しておこう。何らかのツールを用いてアーカイブを展開し、展開されたファイルのすべてをMS-DOSフォーマットのフロッピーディスクにあらかじめ保存したところで、インストール前の準備は整ったことになる。
WinZipを使ってtgz形式を展開したところ |
Windows用解凍/展開ツールの定番であるWinZipもtgz形式をサポートしており、画面のようにFastTrak TX2000のLinux用デバイス・ドライバが展開できる。 |
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IDE RAID実践導入術【低価格IDE RAIDカード編】 2.IDE RAIDの構築手順 |
関連リンク | |
FastTrak TX2000のダウンロード・ページ |
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