3月8日、これまでのiPhone 4SやiPod touchに加え、新しいiPadの大画面にもRetinaディスプレイを搭載するという発表がありました。
iPhone/iPad/iPod touchには実用的なアプリもあれば、3Dを駆使したリッチなゲームもあります。中には、高精細がウリのRetinaディスプレイを生かした、とても美麗なアプリもあります。
美麗アプリというと、例えば、「Auditorium」があります。パーティクルと音楽を組み合わせた、とても美しいメディアアートのようなアプリです。
本連載では、「openFrameworks」でパーティクルやプリミティブを使ったRetinaに映える美麗アプリの制作方法を紹介します。
iOS SDKで作るネイティブアプリの解説をするので、iOS SDKについて詳細を知りたい方は、以下の連載を参照しておいてください。
「openFrameworks」とはクリエイティブコーディングのために作られたC++のフレームワークです。比較的簡単にアプリを開発でき、プログラミングを学ぶ初めの一歩にとても適していると考えています。一般に「oF」と略されており、インタラクティブデザインやメディアアートの制作に適しています。
C++と聞くと、難しそうといった印象があるかもしれませんが、openFrameworksはあえて理解が難しい部分を隠しているので、図形の描画や動画の再生、アニメーションやインタラクションなどといった、クリエイティブなアプリを開発するための機能をすぐに、しかも簡単に利用できます。
made with openFrameworks from openFrameworks on Vimeo.
この思想は、先行していた「Processing」「Design by Numbers」などと共通しています。
Processingについて詳しく知りたい方は、少し古いですが、以下の記事も参照してください。
そもそもopenFrameworksは、2004年にZach Lieberman氏が、ニューヨークにあるパーソンズ大学にてアートを学ぶ学生のために開発し始めました。そのため、プログラミング初心者でも容易に、何かを作り出す楽しさを感じられるフレームワークとなっています。
しかも、openFrameworksはプログラミング教育用フレームワークにとどまりません。C++というネイティブなコードで記述するため、マシンパワーを生かしたアプリを開発できるのです。
実際にopenFrameworksは海外のメディアアーティストたちの作品によく利用されています。音楽アーティストの中にはopenFrameworksを使ってVJを行う方もいます。彼らの作品は、openFrmeworksのgalleryサイトで楽しむことができます。
日本でも、openFrameworksのWebサイトやフォーラムコミュニティが立ち上がり、国内でも広まりつつあります。有志の方がリファレンスの日本語化も行っています。
またopenFrameworksは、日々進化しています。もともとはデスクトップ向けアプリの開発に利用するフレームワークでしたが、現在ではiOS/Android向けアプリの開発も可能になりました。今回は、iPhoneをターゲットにします。次ページで、まずは開発環境を整えましょう。
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