特集 3. 2種類のブレードをラインアップするTrustGuard/HiServer |
トラストガードは、ブレード・サーバやRAIDユニット、NASの製品開発・販売や、インターネット関連のソリューション提供などを行っているベンダである。本稿では、同社がラインアップしているブレード・サーバのうち、最新製品であるTrustGuard/HiServerを紹介しよう。本機はProLiant BL e-Classと比べて、主に以下のような違いがある。
- 性格の異なる2種類のサーバ・ブレードをラインアップしている
- エンクロージャにCD-ROMドライブとフロッピードライブが標準で内蔵されている
- コンソールなどを切り替えてサーバ・ブレード間で共有するシステムが標準装備されていること
こうした違いを踏まえて、TrustGuard/HiServerのハードウェア構成を見ていこう。
トラストガードのTrustGuard/HiServer |
これはエンクロージャに2枚のブレード・サーバを取り付けたところ。3Uサイズのエンクロージャに最大18枚のサーバ・ブレードを装着できる。エンクロージャ内の右端にあるのは、本機の特徴でもあるI/O切り替え用ブレードだ(詳細は後述)。 |
TrustGuard/HiServerはブロック・ダイアグラム |
ProLiant BL e-Classと比べると、バックプレーン経由で各コンポーネントを接続する点は共通だが、サーバ・ブレードの外部インターフェイスの引き出し方は大きく異なる。特にコンソールについては、標準装備のI/O切り替え用ブレードにより、全サーバ・ブレードが一組のコンソールを切り替えつつ共有できるようになっている。また標準装備のCD-ROMドライブとフロッピードライブも共有される。 |
2種類のサーバ・ブレード:HDB31670、HDB31650
サーバ・ブレード「HDB31670」 | |||||||||||||||
TrustGuard/HiServerには2002年6月時点で2種類のサーバ・ブレードが用意されており、性能/機能重視タイプがこのHDB31670である。特徴はの拡張スロットで、本機がブレード化による高密度実装と汎用的なハードウェア拡張性の両立を図っているのが分かる。またチップセットには、サーバ向けのServerWorks LC-Eを採用しているほか、3系統のイーサネットのうち2系統はギガビット対応など、サーバらしい仕様が散見される。 | |||||||||||||||
|
バックプレーンとの接続コネクタ |
ここには電源のほか、コンソールやフロッピードライブ、CD-ROMドライブとの接続に必要な電気信号が通っている。コネクタ形状はCompactPCIという産業界向けPCI規格と同じものだが、信号のピン割り当てや電気的特性などはまったく異なる。 |
サーバ・ブレードのフロントパネル | ||||||
3つのコネクタはいずれもイーサネット用であり、イーサネット・ケーブルは本体正面から接続されることになる。HDB31670の場合、上と中央のコネクタはギガビット対応で、下が100BASE-TX対応になる。HDB31650では、3つとも100BASE-TX対応だ。 | ||||||
|
本機に限らず、サーバ・ブレードにイーサネットが2〜3系統も装備されている理由の1つは、前述したサーバの3階層モデルにおいて、異なる階層との通信にそれぞれ別系統のイーサネットを利用するからだ。例えばフロントエンド・サーバならロード・バランサとミッド・ティアとの接続に、それぞれ1系統ずつイーサネットを使用する(同一系統にまとめると、トラフィックが増えてパフォーマンスに影響するし、管理も面倒になる)。また、2系統のイーサネットを組み合わせて耐障害性を高めたり、負荷分散により転送レートを向上させたりすることも、サーバでは多い。これも、必要となるイーサネットの系統数を増やす一因となる。
次のページでは、TrustGuard/HiServerの特徴でもあるI/O切り替え用ブレードやエンクロージャに注目してみよう。
関連記事 | |
高密度サーバはどこに向かうのか? | |
基礎から学ぶIAサーバ 2002年度版 | |
ブレード・サーバに見る信頼性と冗長性の関係 | |
Dellが考える高密度サーバの世界 | |
IAサーバ製品カタログ |
関連リンク | |
ProLiant BL e-Classの製品情報ページ | |
TrustGuard/HiServerの製品情報ページ |
INDEX | ||
[特集]ブレード・サーバの真実と未来 | ||
1.高密度最優先のブレード・サーバ「ProLiant BL」 | ||
2.OSセットアップまでリモートから行うProLiant BL | ||
3.2種類のブレードをラインアップするTrustGuard/HiServer | ||
4.コンソールからフロッピーまで共有可能なTrustGuard/HiServer | ||
5.2タイプに分かれてきた最新ブレード・サーバ | ||
6.現在のブレード・サーバが抱える課題とは? | ||
「System Insiderの特集」 |
System Insider フォーラム 新着記事
- Intelと互換プロセッサとの戦いの歴史を振り返る (2017/6/28)
Intelのx86が誕生して約40年たつという。x86プロセッサは、互換プロセッサとの戦いでもあった。その歴史を簡単に振り返ってみよう - 第204回 人工知能がFPGAに恋する理由 (2017/5/25)
最近、人工知能(AI)のアクセラレータとしてFPGAを活用する動きがある。なぜCPUやGPUに加えて、FPGAが人工知能に活用されるのだろうか。その理由は? - IoT実用化への号砲は鳴った (2017/4/27)
スタートの号砲が鳴ったようだ。多くのベンダーからIoTを使った実証実験の発表が相次いでいる。あと半年もすれば、実用化へのゴールも見えてくるのだろうか? - スパコンの新しい潮流は人工知能にあり? (2017/3/29)
スパコン関連の発表が続いている。多くが「人工知能」をターゲットにしているようだ。人工知能向けのスパコンとはどのようなものなのか、最近の発表から見ていこう
|
|