“internet(先頭の「i」は小文字)”とは、ネットワークを相互に接続する技術、またはその技術によって接続されたネットワークのことであり、日本語では「相互接続ネットワーク」などと訳される。相互接続ネットワークは、さまざまな種類のネットワーク同士を接続し、その違いをユーザーやアプリケーションから隠し、統一的なサービスを提供するネットワークのネットワークである。
一方、固有名詞の"Internet"は、日本でも「インターネット」として知られている世界最大の相互接続ネットワークのことである。
インターネットの起源は1960年代にまでさかのぼる。当時、DoD(Department of Defense:米国国防総省)は、核による攻撃にも耐えうる軍事指揮用のネットワークを必要としていた。そして1968年、DoDのARPA(Advanced Research Projects Agency:高等研究計画局)は、実験用のパケット交換ネットワークであるARPANET(アーパネット)の開発に着手した。
翌年の1969年には、ARPAの研究に参加する研究者が多数在籍していたカリフォルニア大学ロサンジェルス校、スタンフォード研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ユタ大学間で接続実験が開始され、最初の広域パケット交換ネットワークであるARPANETが誕生した。
ARPAの研究は、1973年には無線や人工衛星を利用したパケット交換ネットワークの研究へと発展していった。同時に、これらパケット無線ネットワークとパケット衛星ネットワークとARPANETを接続するインターネットの研究も開始された。
そして、相互接続ネットワークを実現するために新たなプロトコルの開発が行われた。これが後にTCP/IPと呼ばれることになるプロトコルである。そしてインターネットの研究は当初から国際的な広がりを見せ、TCP/IPの研究には、英国を始め、ノルウェーなどヨーロッパの国々が参加していった。
1977年、ARPANET、パケット衛星ネットワーク、パケット無線ネットワーク、Xerox社Palo Alto Research CenterのEthernetという4つのネットワークを相互接続したインターネットのデモンストレーションが行われた。1978年にはARPANETに接続するコンピュータのプロトコルとしてTCP/IPが採用され、徐々にインターネットが形成されていき、1983年1月1日までにARPANETのネットワークのプロトコルはTCP/IPに変更・統一され、実用的なインターネットが誕生した。
同じ頃、USENET (Users' Network)や、BITNET(Because It's Time NETwork)、CSNET (Computer and Science Network)といったさまざまなネットワークが誕生し発展していった。日本でも1984年にJUNET(Japan Unix NETwork)という実験的なネットワークグループが創設され、ネットワークの実験、研究が進められた。そしてこれらのネットワークもARPANETと相互接続するようになり、インターネットは拡張を続けていった。
当初ARPANETは、インターネットのバックボーンとしての役割を担っていたが、米国の科学技術の発展のために1986年に新設されたNSFNETが新たなバックボーンとして発展していき、1990年にARPANETはその役割を終えて解消した。
1990年代に入ると、それまでネットワークの研究開発のためのネットワークであったインターネットは、商用でも利用されるようになり、爆発的な成長を始めた。1992年には、日本で最初の商用ISP(インターネット サービス プロバイダ)である株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が誕生し、以後続々とISPが誕生していった。
今やインターネットは地球規模のネットワークに発展しており、世界中のさまざまな人々が情報を共有し、コミュニケーションの基盤としているのは、周知のとおりである。
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