マイクロソフトのデータベース・システムであるSQL Server 2000の概要を理解し、これをシステムに応用するための基礎知識を得る。
業務の一翼を担う情報システムにおいて、データは大変重要な存在である。受発注管理にせよ、顧客管理にせよ、すべての処理はデータをよりどころとして実行されるので、データの信頼性や整合性に疑いがあるようでは、どのようなシステムだろうと役に立たない。またビジネスの変化に情報システムが追従できるように、データも柔軟に応用できる必要がある。またそれだけ貴重なデータだから、万一のトラブルが発生しても失わないようにバックアップを万全にする必要があるし、不正なアクセスによってデータが窃取されたり、改ざんされたりしないようにセキュリティ体制を確立する必要もある。
このような要求に応えるために開発されたソフトウェアがデータベース管理システム(DBMS:Database Management System)である。
ひと口にデータベースといっても、スタンドアロン・アプリケーションのデータ・アクセスの一部として使われているケースもあれば、電子商取引などの大規模なシステムで使われるものもある。これらはおのずと実行環境も求められる要件も異なるので、システムとしてはまったく異なったものになる。しかしネットワークが普及して、異なるシステム同士、アプリケーション同士が相互に容易に情報交換できるようになったことから、データの相互運用が活発化している。このため従来ならデータの保存に通常のファイルを使用していたような小規模なシステムあっても、将来の連携に備えてデータベース化するケースも増えている。データベースの役割は、ますます重要になっているといってよいだろう。
マイクロソフトは、次期WindowsであるLonghornにおいて、ファイル・システムにXMLベースのデータベース技術を追加しようとしている。つまりOSのファイル・システム全体が一種のデータベースの機能を持つということだ。これなども、データベースの重要性の高まりを象徴するニュースといえそうだ。
本稿では、まだ本格的にデータベースに触れたことはないという読者を対象として、マイクロソフトのデータベース・システムであるSQL Server 2000の概要を紹介する。
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