複雑なWebページには多くのドメイン名(FQDN名)が埋め込まれている。このFQDN名からIPアドレスに変換するDNSサービスが遅いと、Web表示も遅延してしまう。Google提供の無償サービス「Google Public DNS」を利用することで、Web表示が高速化できる可能性がある。
対象OS:Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003/Windows Vista/Windows Server 2008/Windows 7/Windows Server 2008 R2
ニュース・サイトやBlogなどのWebサイトでは、1ページのWebページであっても広告などが複数埋め込まれており、実際にはさまざまなWebサイトのコンテンツから構成されている。そのため、1ページを表示するだけでも、DNSサービスによる複数の名前(FQDN名)とIPアドレスの変換(名前解決)が必要になる。
ほとんどの場合、DNSサービスにはISPなどが提供しているDNSサーバが自動的に利用されるように設定されている。そのためほとんどのユーザーが、DNSサービスの性能を意識しないできた。実際、これまではWebページの表示速度は、回線速度やWebサイトのサーバの性能などに大きく依存してきた。しかし前述のようにWebページを表示するたびに複数の名前解決が必要になるため、その性能によってはWebページの表示が遅くなる可能性もある。実際、Webサイト数が膨大になり、さらに増え続けていることから、DNSサーバに対する負荷は増大する傾向にある。
もし、ISPなどが提供しているDNSサービスが遅いと思われる場合、Googleが無償で提供しているDNSサービス「Google Public DNS」を利用するとWeb表示が高速化できる可能性がある。本稿では、このGoogle Public DNSの使い方を解説する。
Google Public DNSとはつまり、Googleが運営/公開している、DNSのキャッシュ・サーバ・サービスである(与えられたFQDN名をルートDNSから辿って自力で解決する、フル・サービスのリゾルバ。「ネームサーバの3つの働きとは(Master of IP Networkフォーラム)」も参照)。そのためGoogle Public DNSを利用するには、ネットワーク設定を変更すればよい。
いずれのWindows OSでも、以下の手順でDNSサーバの設定を行う。
[A]
ただし社内のクライアントに対してこのようなDNSサーバの設定を行うと、社内のほかのコンピュータの名前解決ができなくなる(Active Directoryなどが利用できなくなる)。このような場合、ISPとの接続に利用しているルータのWAN回線側のDNSサーバの設定や、インターネットの名前解決を担当しているDNSサーバのフォワード先をGoogle Public DNSに設定すればよい。
Google Public DNSに変更することで、どの程度の高速化が実現するかは、以前の環境(ISPなどのDNSサーバの性能)にもよる。DNSサーバのパフォーマンスがWeb表示に影響しているような環境では、Google Public DNSによって大幅な高速化が実現される可能性もあるだろう。実際、Google Public DNSへの設定変更を試したところ、Web表示が若干高速化されたような気がする(以前の環境でもそれほどWeb表示がそれほど遅くなかったので、大幅な高速化は実感できなかったが)。もし、Web表示が遅いのではないかと感じたら、DNSサーバの性能がボトルネックになっている可能性もあるので、DNSサーバをGoogle Public DNSに変更してみると、高速化が実現できるかもしれない。
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