Windows Updateの更新トラブルをダウンロード版トラブルシューティングツール(旧Fix it)で解消するTech TIPS

パッチ(更新プログラム)の検出/適用時にしばしば生じるWindows Updateのトラブル。解決するには無償の「Windows Updateトラブルシューティングツール」が便利だ。そのダウンロード版の使い方と、Windows標準装備版との違いを解説。

» 2015年06月10日 05時00分 公開
[小林章彦, 島田広道デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 7/Windows 8.1



解説

 Windows Updateでは、しばしばエラーが発生して更新プログラム(パッチ)の検出や適用に失敗することがある。

 例えば、パッチの自動適用(自動更新)に失敗したので手動で適用しようとするも、エラーが表示されるだけで、何回繰り返しても適用が完了しない。このとき「0x」から始まるエラーコードが表示されるので、それを手掛かりにして(インターネット検索などで)原因を追及してもハッキリとは分からないことが少なくない。

 こうしたトラブルに対し、マイクロソフトはWindows Updateのトラブルを解消するためのソフトウェアツールを複数、用意している。そのうち、本TIPSでは「Fix it」あるいは「トラブルシューティングツール」と呼ばれる、マイクロソフトのサイトからダウンロードできる無償ツールに焦点を当てて説明する。

Windows Updateのトラブルを解消するためのダウンロード版「トラブルシューティングツール」 Windows Updateのトラブルを解消するためのダウンロード版「トラブルシューティングツール」
Windows 7以降に標準装備の同名ツールと比べ、より広い範囲でトラブルの原因を探して修復できる。

●Windows OS標準装備の「トラブルシューティングツール」との違い

 実は、現在のWindows OSには標準で「Windows Updateトラブルシューティングツール」(以下、標準ツールと呼ぶ)が搭載されている。その概要や使い方は右の関連記事を参照していただきたい。標準装備なので、手軽かつ簡単に実行できるのがメリットだ。

 一方、本TIPSで説明するダウンロード版の「Windows Updateトラブルシューティングツール」*1は、マイクロソフトのサイトからインターネット経由でプログラムをダウンロードする手間が必要だ。その半面、標準ツールより広い範囲のトラブル修復に対応している(もちろんトラブルの種類によっては、このツールでも解消できないことがある)。

 そのため、Windows Updateでトラブルが生じた場合は、まず標準ツールを実行し、解消されなければ次はダウンロード版のツールを試してみるのが良いだろう。

*1 本TIPSで説明しているツールは以前、「Fix it」の一種として配布されていた(Fix itについてはTIPS「サポート技術情報にある[Fix it]アイコンとは」を参照)。しかし現在では、Windowsのトラブルシューティングツールの一種として配布されている。


操作方法

 ダウンロード版の「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行するには、あらかじめ管理者権限を持つユーザーアカウントでログオン(サインイン)してから、Webブラウザーで下記のURLを開き、[ツールを起動する]をクリックする。

 すると「WindowsUpdateDiagnostic.diagcab」のように「.diagcab」という拡張子のファイルがダウンロードできるので、それを実行する。

マイクロソフトの「Windows Updateトラブルシューティングツール」のダウンロードページ マイクロソフトの「Windows Updateトラブルシューティングツール」のダウンロードページ
これはWindows Updateのサポート情報ページをInternet Explorer(IE)で開いたところ。
  (1)[ツールを起動する]をクリックする。
  (2)IEの場合、[ファイルを開く]ボタンをクリックすると、「.diagcab」という拡張子のファイルがダウンロード後に起動される。[保存]ボタンをクリックしてダウンロードした後に、手動でこの.diagcabファイルを実行してもよい。

 ここでダウンロード時のセキュリティ警告や、ユーザーアカウント制御(UAC)の警告ダイアログが表示されたら、いずれも[はい]ボタンをクリックする。

 ダウンロードした.diagcabファイルを起動したら、あとはウィザードの指示に従って進めていく。

ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その1) ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その1)
ダウンロードした「WindowsUpdateDiagnostic.diagcab」を起動すると、このウィザードが表示される。
  (1)自動的に不具合を修復せず、トラブルの調査結果を事前に確認したい場合は、[詳細設定]をクリックした後の画面で[自動的に修復する]チェックボックスをオフにしてから、次へ進む。
  (2)自動的に不具合を修復してよい場合は、そのまま[次へ]ボタンをクリックする。
ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その2) ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その2)
これはトラブルシューティング実行中の画面。完了まで10分以上かかることもあるので、気長に待つ。
ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その3) ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その3)
この時点でトラブル原因の確認と修復は完了している。[閉じる]ボタンまたは[トラブルシューティング ツールを終了する]をクリックすれば、作業は完了だ。
  (3)本ツールが不具合の有無を確認した項目およびその結果。
  (4)未適用の更新プログラムが残っていると、「最新の更新プログラムのインストールに関する問題」が[未解決]と表示される。リストアップされた全ての更新プログラムを適用するか、あるいは非表示にした後に、本ツールを再実行すると、この項目は[解決済み]に変わる。
  (5)[詳細情報の表示]をクリックすると、トラブルシューティングの詳細結果がリポートとして表示される。
ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その4) ダウンロード版「Windows Updateトラブルシューティングツール」を実行する(その4)
これはトラブルシューティングの詳細結果のレポート。[見つかった問題]や[検証された潜在的な問題]という大項目で、不具合の内容を確認できる。

 以上で作業は完了だ。Windows Updateを手動で実行して、正常に適用できるかどうか試してみよう。

 本ツールを再実行する場合は、ダウンロードした.diagcabファイルを再び実行する必要がある。これは、本ツールを実行してもシステムにはインストールされず、スタートメニューやスタート画面にも登録されないためだ。

 さらに、前回のダウンロードからしばらく時間が経っている場合は、.diagcabファイルを再ダウンロードした方がよい。マイクロソフトによって.diagcabファイルが更新され、トラブルシューティングツールの機能が改善されることがあるからだ。

■更新履歴

【2015/06/10】最新の情報を反映しました。またWindows 8.1に対応しました。

【2011/09/09】初版公開。


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