Windows TIPS
[System Environment] |
フロッピー・ディスクの内容を仮想FDファイルに保存する
→ 解説をスキップして操作方法を読む
デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/07/30 |
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対象OS |
Windows NT |
Windows 2000 |
Windows XP |
Windows Server 2003 |
対象ソフトウェア |
Virtual PC 2004 |
Virtual Server 2005 |
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Virtual PC 2004やVirtual Server 2005では、物理的なフロッピー・ディスクだけでなく、仮想的なFDファイルも利用することができる。 |
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実際のFDの内容を仮想FDファイルに変換しておくと、仮想PC環境での取り扱いが容易になる。 |
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実際のFDから仮想FDファイルを作成するには、フリー・ソフトウェアのツールなどが利用できる。 |
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Virtual PC 2004やVirtual Server 2005は、仮想的なハードウェア・システムを構築/エミュレーションし、さまざまなゲストOSを稼働させるためのソフトウェアである。その主な用途としては、実験環境の構築や旧コンピュータ・システムのマイグレーション(移行)などがある(これらのソフトウェアに関する詳細は関連記事を参照)。
仮想PC環境では、実際のフロッピー・ディスク(FD)だけでなく、仮想的なFDファイル(.vfdファイル)も利用することができる。物理的なFDメディアではなく、仮想的なファイルを利用することにより、FD(の内容)の保管や取り扱いが容易になるし、使用時にいちいち入れ替えたりする手間もかからなくなる。現在ではFDの使用頻度は必ずしも高くはないが、特に1台のサーバ上で複数の仮想マシンを利用する場合には、物理的なメディアよりも仮想的なファイルの方が都合がよい。仮想PC用のハードディスク・ファイル(.vhdファイル)や構成ファイル(.vmcファイル)などと同じように、扱えるようになるからだ。
.vfdファイルの実体は、FDの各セクタの内容を、ファイルにベタ書きしたものであり、特別なヘッダ情報などは一切付けられていない。先頭のセクタから順番に読み出して.vfdファイルにコピーしただけの、非常に単純な形式である。このフォーマットは、例えばWindows 2000の起動フロッピー・イメージ(Windows 2000のインストールCD-ROMの\BOOTDISKフォルダにある.imgファイル)などでも利用されている。
Virtual PCやVirtual Serverでは、この.vfdファイルを利用(マウント)することができるし、フォーマットする(空の.vfdファイルを作成する)こともできる。だが、実際の物理的なFDの内容を読み込んで(キャプチャして).vfdファイルに変換したり、その逆に、.vfdファイルの内容を実際のFDに書き戻したりすることはできない。仮想PCを活用するためには、この変換操作を行う必要がときどき生じることがあるが(既存のディスクの内容をvfd化して利用したい)、これを行うためには、何らかのツールが必要である。本TIPSでは、このためのツールを紹介する。
FDの内容を.vfdファイル化するためのツールは、マイクロソフト純正のツールとしては提供されていないので(Virtual PCやVirtual Serverにも付属していない)、ここでは、高田 謙氏が開発、公開しているフリー・ソフトウェアの「Read/Write FD」を紹介する。
このページからファイルrwfd013.lzhをダウンロードして展開すると、RWFD.EXEという実行ファイルと、RWFD.TXTというドキュメント・ファイル(およびソース・コード)が得られる。原稿執筆時点でのバージョンはVer.0.13となっている。
RWFD.EXEの使い方
RWFD.EXEはコマンド・プロンプト上で動作するツールである。機能としては、FDの内容を読み出してバイナリ・ファイルに書き込んだり、その逆を行ったりできる。余分な機能がない分、シンプルで使いやすい。使い方は、引数を付けずに実行すると表示される。
C:\>rwfd …引数なしで実行するとヘルプが表示される
Read/Write FD Ver.0.13 Copyright (C) 1999-2003 K.Takata
usage : rwfd drive: filename (Read from drive:.)
rwfd filename drive: [-f] (Write to drive:.)
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FDの内容を.vfdファイル化する
FDの内容を.vfdファイル化するには、次のように、第1引数にドライブ名(a:やb:など)、第2引数に書き込むファイル名を指定する。この引数の並び方は、copyコマンドなどと同じである。
C:\>rwfd a: c:fdimage.vfd …A:のFDを.vfdファイル化する
データ読み込み中
396/2880 …進行中のインジケータ。読み出したセクタ数
終了 …終了すると表示される |
実行途中で表示される数字は、読み出しているセクタ数である。ここではDOS/V形式の1.44MbytesのFD(いわゆる2HDタイプ)を読み出しているので、最後は2880セクタとなっている。1セクタ512bytesなので、最終的なファイル・サイズは1,474,560bytesとなる(このほかに、総サイズが1.21Mbytesのいわゆる2HCタイプにも対応)。書き込み先のファイル名の拡張子はここでは.vfdとしているが、実際には.imgでも.fdでも何でもよいので、使用する目的に合わせて指定すればよい。Virtual PCやVirtual Serverで使用するなら.vfdとしておく。
.vfdファイルの内容をFDに書き込む
このツールでは、.vfdファイルの内容を逆にFDに書き込むこともできる。引数の順序を先ほどとは逆にすればよい。
C:\>rwfd c:fdimage.vfd a: ….vfdファイルの内容をA:のFDに書き込む
データ書き込み中
756/2880 …進行中のインジケータ。書き込んだセクタ数
終了 …終了すると表示される |
なお書き込み先のFDは、あらかじめMS-DOS形式でフォーマットしておく必要がある(書き込みに先立ち、1度FDを読み出して、そのタイプを判別しているため)。
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