自動更新やWindows Update/Microsoft Updateで修正プログラムをインストールしようとしても、エラーになり、インストールできないことがある。このような場合は修正プログラムをダウンロードし、単独で実行してみるとよい。より詳しいエラー・ログが得られることがある。エラー・ログは%SystemRoot%あるいは%Temp%\OHotfixフォルダに保存されるので、ここからインストール・エラーの原因を探ることができる。
対象OS:Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003/Windows Vista
自動更新やWindows Update/Microsoft Updateなどでセキュリティ修正プログラムやService Pack、各種パッチ・ファイル(以下まとめて修正プログラムと呼ぶ)などをシステムにインストールする場合、何もエラーが起こらずに適用できれば問題はないが、場合によっては、何度やってもエラーになってしまい、インストールできないことがある。失敗した修正プログラムを再インストールするため、Windows UpdateやMicrosoft Updateを手動で実行してもやはりエラーとなるが、なぜエラーになったのかが表示されないため、その理由が分からないことも少なくない。
例えば以下は、あるOffice向けのセキュリティ修正プログラムをインストールしようとしたところである。
手動で適用させるが、やはり、次のようにエラーになってしまった。しかし詳細なエラー情報が表示されないので、原因を知ることはできない。
エラーになっても、このようなシンプルなダイアログが表示されるだけで、その原因は表示されない。何の対策もせず、再度実行しても、事態が改善する(インストールできるようになる)可能性はほとんどないだろう。
このような場合は、取りあえず修正プログラムをダウンロードして、手動で1つだけインストールしてみると、いろいろと情報が得られることがある。必ずインストール・エラーが解決できるという保証はないが、Windows UpdateやMicrosoft Updateを使うよりも多くの情報が得られるので、解決の参考にすることができる。
修正プログラムをダウンロードするには、マイクロソフトのダウンロード・センターでサポート技術情報番号を基に検索してもよいが、もっと簡単に行うには、最初の画面の(2)で示したリンク先をクリックする。すると次のような画面が表示されるので、ここから修正プログラムをダウンロードすることができる。
以上のリンクから修正プログラム(.EXEや.MSIファイルであることが多い)をダウンロードし、ローカル・コンピュータ上の適当な場所に保存する。そして、ダブルクリックして実行すると、インストールが始まる。
こうやって手動で実行すると、Windows UpdateやMicrosoft Update経由でインストールする場合よりも多くの情報が表示される(ことが多い)。Windows UpdateやMicrosoft Updateでは、余計な情報を表示しないように出力が抑制されているが、単独でインストールすると、エラー・メッセージなどが詳細に表示される。
例えば上記の修正プログラムを実行すると、次のような画面が表示された。
こうやって単独で実行してもやはりエラーとなっているが、先ほどと違って、今度はエラーの内容がダイアログ中に表示されている。「Office Source Engineの問題が……」と表示されているが、この指示に従ってSETUP.CHMファイルの該当する場所を調べてみた。すると、Office Source Engineサービスが[無効]に設定されていると、このようなエラーが発生する可能性があると分かった。よってサービスの開始設定を変更し、再度インストールを実行してみると、今度は正しくインストールできた。
すべての修正プログラムがこのような親切なエラー・メッセージを表示するようになっているわけではないが、解決の糸口にはなるだろう。
上記の例では、画面に表示されるダイアログに注目したが、単独で修正プログラムを実行すると、より詳細な動作/エラー・ログを残すようになっている(Windows UpdateやMicrosoft Update経由の場合、ログは抑制されていることが多い)。ログの保存される場所は、(Windows Installerを利用する)Office向け修正プログラムだとデフォルトでは%Temp%中のOHotfixというフォルダであり、この中に「OHotfix(数字).log」「OHotfix(数字)_Msi.log」というファイルが作成される(「数字」部分は0001、0002、……と増加するので、日付順にソートして、最新のものに着目するとよい)。またWindows OSやInternet Explorerなどのための修正プログラムは、%SystemRoot%フォルダに「KB(MSKB番号).log」というファイル名でログファイルを生成する(KB931784.log、KB887797-OE6SP1-20041112.131144.logなど)。
このログ・ファイルには、エラー・ログだけではなく、修正プログラム中のWindows Installerの動作ログが記録されている。このファイルの中を調べることにより、どこでエラーが起こったかとか、何をしようとしてエラーになったか、などの原因を探ることができる。ファイルを日付順にソートし、最新のファイルをメモ帳で開き、末尾から逆に「エラー」や「error」といった文字列を検索すると、エラーの状況が分かるだろう。エラーを特定する具体的な手順については、TIPS「Office向けパッチの適用失敗の原因をログ・ファイルから解明する」を参照していただきたい。
これ以外にも、%Temp%フォルダなどにMSI?????.LOGといったログ・ファイルが残されていることがあるので(日付順に並べて検索すると見つけやすい)、有効なログファイルが見つからない場合は、%Temp%フォルダも検索してみるとよいだろう。
なお、TIPS「Microsoft Update/自動更新のエラー・ログを調査する」では、自動更新やWindows Update/Microsoft Updateが残す%windir%WindowsUpdate.logというログ・ファイルの見方について解説しているが、この中にはエラー番号しか記録されていないことが多い。そのため、番号からその原因を見つけるのは簡単ではない。まずは本TIPSの方法でエラーの原因を調査するとよいだろう。
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