XPath関数の中から文字列関数を取り上げ、テキストの一部を抜き出すsubstringと文字列を連結するconcatを紹介します。<xsl:value-of>要素と併用して、出力の内容を加工してみます。
カテゴリ | XSLT | |
関連要素 | <xsl:attribute-set> | |
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XPathと聞くと、XMLとはまったく独立した規格のように思われるかもしれませんが、その実、これまで何度も登場したXSLTとは切っても切れない関係にあります。例えば、<xsl:for-each>や<xsl:template>、<xsl:value-of>などの要素でノードを特定する際に用いていた表現――「books/book」「//chapter」「book/@isbn」――などは、実はXPath式の1つで「ロケーションパス」と呼ばれるものです。ロケーションパスは、その名のとおり、XML文書内のカレントノードから目的のノードまでの道筋(パス)を示す役割を果たします。
ロケーションパスはXPath式の代表的な表現方式ですが、そのすべてではありません。XPath式は数値や文字列、関数などから構成される、より汎用的な「式」表現なのです。
ここでは、XSLTの表現力を支援する「XPath関数」について紹介しましょう。XPathにはさまざまな組み込み関数が用意されており、データの加工や演算、ノードの絞り込みなどを行う手段を提供します。
以下は、books.xml(別稿「外部サブセットを利用して、DTDをXML文書から分離する」を参照)の<title>要素を一覧表示するXSLTスタイルシートです。ただし、<title>要素配下の文字列は15bytesまでを表示することにします。
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?> <xsl:stylesheet xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version="1.0"> <xsl:template match="/"> <html> <head> <title><xsl:value-of select="books/@name" /></title> </head> <body> <ul type="square"> <xsl:for-each select="books/book"> <li> <xsl:value-of select="concat(substring(title,0,15),'...')" /> </li> </xsl:for-each> </ul> </body> </html> </xsl:template> </xsl:stylesheet>
以下の部分に注目してください。
<li> <xsl:value-of select="concat(substring(title,0,15),'...')" /> </li>
substring(node,m,n)はXPath関数の1つで、第1引数で指定されたノードの値をm〜n文字まで抜き出します。concat(x,y)も同様にXPath関数の1つで、引数で指定された文字列を連結します。
このように、XPath関数は<xsl:value-of>要素などと併せて使用することで、出力の内容を加工できるのです。
XPath関数は、その扱う型に応じてノードセット関数、文字列関数、ブーリアン関数、数値関数に分類されます。concat、substring関数は文字列関数です。文字列関数に分類される関数について、以下の表にまとめておきます。
XPath文字列関数 | 概要 |
---|---|
contains(strVal,strSrc) | 文字列strValに部分文字列strSrcが含まれているかどうか |
normalize-space(strVal) | 文字列strValの前後から空白を取り除く |
start-with(strVal,strSrc) | 文字列strValが部分文字列strSrcで始まるかどうか |
string(nodSet) | ノードセットnodSetで表される値を文字列に変換する |
string-length(strVal) | 文字列strValの長さを返す |
substring-after(strVal,strDlm) | 文字列strValを区切り文字strDlmで区切ったとき、後半部の文字列を返す |
substring-before(strVal,strDlm) | 文字列strValを区切り文字strDlmで区切ったとき、前半部の文字列を返す |
translate(strVal,strBfr,strAft) | 文字列strValをstrBfrからstrAftへの規則に従って変換する |
containsやstart-withなど戻り値としてtrue/falseを返す関数は、<xsl:if>要素のtest属性などの条件式として使用できます。
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