Windows XP
【ウィンドウズ・エックス・ピー】
Windows 2000およびWindows Meの後継として、マイクロソフトが開発したクライアント用途向けOS。2001年11月16日よりパッケージ発売が開始された。開発コード名はWhistler(ウィスラー)。XPはeXPerienceの略とされている。
Windows XPはフル32bit OSのWindows 2000をベースに開発された。このWindows XPの登場によって、長きにわたる16bit Windowsの歴史は終わりを迎えた(Windows 9xの改良版であるWindows Meには、一部16bitのコードが残されている)。
Windows XPはクライアント向けOSの名称であり、サーバ用途向けには、Windows 2000 Serverの後継として、Windows Server 2003が用意されている。
従来のOSとWindows XP/Windows Server 2003製品の対応関係は次のようになる。
従来のOS | 対応するWindows XP/Windows Server 2003製品 |
Windows 9x/Me | Windows XP Home Edition |
Windows 2000 Professional | Windows XP Professional |
Windows 2000 Server | Windows Server 2003, Standard Edition |
Windows 2000 Advanced Server | Windows Server 2003, Enterprise Edition |
Windows 2000 Datacenter Server |
Windows Server 2003, Datacenter Edition |
なおWindows Server 2003製品群には、上表以外に、イントラネット/インターネット向けのWebサーバ、Webサービス・サーバに特化した機能を持つWindows Server 2003, Web Editionもラインアップとして追加されている。
Windows XPには、2つのユーザー・インターフェイスが実装され、ユーザーが任意に選択することができる。Windows 2000やWindows Meのエクスプローラでは、フォルダ・ウィンドウの表示方法を「Webコンテンツ」表示と「従来のWindowsフォルダ」表示の2種類から選択することが可能だが、これと同じような機能だと考えればよい。
このうち1つは、マイクロソフトの開発者の間では「Whistlerスタイル」と呼ばれている新しいインターフェイス(開発コード名をとって、Lunaインターフェイスと呼ばれることもある)、他方は「クラシックWindowsスタイル」と呼ばれるもの。後者は、既存のWindows 2000やWindows Meのそれに準じたグラフィカル・スタイルである。
新しい「Whistlerスタイル」のユーザー・インターフェイスでは、初心者でもとまどうことなく使用できることを考慮し、デスクトップを大幅に簡略化して、デフォルトで表示されるアイコンやメニューが厳選された。
従来のタスク・バーでは、現在表示されているウィンドウと一対一に対応するボタンが表示されるが、ウィンドウの数が増えるに従って、ボタンがどんどん小さくなってしまう仕様だった。これに対しWindows XPのタスク・バーでは、同一のアプリケーションから多数のウィンドウが表示され、ボタン・サイズがあまりに小さくなるときには、個々のウィンドウごとにボタンを表示するのではなく、ボタンは1つだけ表示し、ボタンにマウスをかざすと、ウィンドウのリストがメニューとしてポップアップ表示されるようにする。これにより例えば、Internet Explorerで多数のWebページを同時表示しても、タスク・バーに表示されるIEのボタンは1つだけになる。
Windows XPでは、家族で1台のPCを円滑に共有するための「ユーザーの簡易切り替え(fast user switching)」と呼ばれる機能が追加された。ユーザーの簡易切り替えは、基本的にはWindows 2000のユーザー管理機能を使いながら、小さな子供を含めた家族全員がこれを抵抗なく利用して、環境を切り替えられるようにする機能である。単に各ユーザーがログオン/ログオフを行って自身の作業環境(デスクトップ画面)を開くのではなく、あるユーザーがログオンした状態のまま、別のユーザーが独自の作業環境でWindows XPを使い始められることにある。ただしこのユーザーの簡易切り替え機能は、ワークグループ・ネットワークの場合にのみ利用できる。ドメイン・ネットワークに参加している状態では利用できない。
このほかにも、遠隔地からWindows XPを操作可能にするリモート・デスクトップ接続機能や、ユーザー・サポート担当者がネットワークを経由してWindows XP環境の確認や設定などを実行できるリモート・アシスタンス機能など、さまざまな機能が追加されている。
Windows XPのデスクトップ画面 Windows XPでは、Luna(開発コード名)と呼ばれる新しいユーザー・インターフェイスが搭載された。画面は2001年7月に公開された開発途中バージョン(RC1 英語版)の画面。 |
Windows XPパッケージ版(Home Edition(左)/Professional(右)) 写真提供:マイクロソフト |
Copyright (C) 2000-2007 Digital Advantage Corp.
関連用語
参考リンク
-
■マイクロソフトのWindows XPのホームページ
■マイクロソフトのWindows .NET Serverファミリのホームページ
■[特集]Windows XPの正体(Windows Insder、PC Insider)
■[Insider's Eye]Windows XP ベータ2日本語版クイックツアー(Windows Insider)
■[Insider's Eye]Windows XPの新ユーザー・インターフェイスに異状あり(Windows Insider)
■[Insider's Eye]Windows XP、Office XPに導入される不正コピー防止技術、Product Activationとは?(Windows Insider)
■[Insider's Eye]新世代Windows、Windows XPを初体験(Windows Insider)
■[TIPS]手持ちのソフトウェアがWindows 2000/Windows XP互換かどうかを確認する方法
■[TIPS]手持ちのハードウェアがWindows 2000/Windows XP互換かどうかを確認する方法