Weekly Top 10
ソフトウェアほど価格に幅のある存在はない
2007/10/22
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングの第1位は「3Dデスクトップを統合したUbuntu Linux最新版がリリース」だった。デスクトップLinuxの人気ディストリビューションで、国内のユーザーも拡大中。欧米のブログでは「うちのママが使っている」「ワイフはUbuntuの達人」など、Ubuntuの使いやすさを紹介する記事が増えてきた。最新バージョンの公開で国内でも人気がさらに沸騰するか。
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2位にはオープンソースソフトウェアを使ってシステムを構築した事例記事「ソフト購入費ゼロ、嘉悦大学がOSSでITインフラ構築」が入った。1位、2位とも無償で使えるソフトウェアに関する記事だ。思えば、ソフトウェアほど、価格に幅がある存在はない。上記のようにオープンソースソフトウェアの多くはフリーで使うことができる。
対して、従来からの商用業務アプリケーションや商用サーバOSは「1ライセンスで500万円から」などの価格が普通。特定業務向けでユーザー数がそれほど多くないソフトウェアの場合では「最小構成価格は3000万円、ユーザー規模に応じて数億円」というライセンス価格も珍しくない。もちろん、この価格はソフトウェアのライセンスだけで、エンドユーザー企業は加えて、システム構築料金やカスタマイズ料金、サポート料金、アップグレード料金、トレーニング料金を支払う必要がある。
エンタープライズ向けのIT業界を担当し始めた当初は、高額なライセンス価格に驚いた。だが、企業のビジネスを左右する基幹系システムだけに数億円、数十億円をかけてシステムを構築するのは、企業にとってはメリットの見える投資なのだろうと徐々に考えるようになった。
しかし、オープンソースソフトウェアの最近の隆盛を見ていると、このような高額な料金が果たして適正なのかという素朴な疑問も浮かび上がる。ビジネスモデルが異なるとはいえ、同じような機能や信頼性を備えたソフトウェアがオープンソースでは無償で使える場合がある。商用ソフトウェアには高額なライセンスに見合うだけの価値があるとするならば、無償のLinuxの価値とは? ソフトウェアの価値をどう考えるかは難しい。
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