Weekly Top 10

エンジニアと「地図のない道」

2007/12/17

 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキング第1位は、「Global IP Business Exchange/IPv6 Technical Summit 2007」の内容をまとめた「IPv4アドレス枯渇で突如脚光を浴びるIPv6」だった。IPv4アドレスの枯渇については「IPアドレス枯渇問題、『ろくな対策はないが、IPv6はまだまし』」も詳しく解説している。

NewsInsight Weekly Top 10
(2007年12月9日〜12月15日)
1位 IPv4アドレス枯渇で突如脚光を浴びるIPv6
2位 「独立系のプライド」で統合、TISとインテックが来年4月に
3位 技術職と一般事務職の給与を比べてみると
4位 IT業界の「3K問題」 NTTデータ社長の考えは?
5位 日本企業は「和の文化」で社員をつなぎ止める
6位 Ruby on Rails 2.0がリリース
7位 セキュリティ対策のこちら側/あちら側
8位 米アマゾン、Webデータベース「SimpleDB」を開発
9位 インテル、2007年の10大ニュース
10位 写真で見る日本HPの「コンピュータ工場」

 気になったのは4位に入った「IT業界の『3K問題』 NTTデータ社長の考えは?」だ。この記事が掲載されたのは今年5月。どうしてと思ったが、「IT戦記」のamachang氏のエントリ「採用説明会での資料を公開します。」が思い浮かんだ。「あと、この辺に対する僕の答えでもあります。」とあり、上記のNTTデータ記事を紹介してくれている。ありがとうございます。

 amachang氏は公開した資料の中で、エンジニアになった経緯を振り返り、自らを確立していく上で「プライドを捨てること」「自分を晒すこと」「人と出会うこと」「技術を愛すること」の大切さを挙げている。エンジニアであることの楽しさや、やりがいを伝える説明で、若いエンジニアは勇気が沸くだろう。最近の取材先で記者が聞くのは「エンジニアがハッピーになるにはスキルを高めて外に出る」ということ。amachang氏の考えと重なる。amachang氏が書いているようにITエンジニアは自らのスキルだけで世界で戦え、成功できる職業。挑戦のしがいはある。

 記者は、多層請負構造や人月による見積もり、海外ベンダの攻勢など日本のIT業界(特にITサービス業界)の問題は深刻だと思っている。結果として世界で戦っている日本のIT企業は(家電系、ゲーム関係、コンテンツ関係を除けば)ほぼ皆無。学生が就職を嫌がるのも分かる。しかし、日本のIT企業がいまいちなのと、日本のエンジニアの可能性とは別問題だ。エンジニアはamachang氏が説くように自らの努力によってその世界を広げ、自分の可能性を世界で試すことができる。低成長な日本のIT企業の中で閉塞感を感じているエンジニアは多い。外に出るのか、自らが企業や業界を変えるのか。エンジニアの選択肢は多いと感じている。

(@IT 垣内郁栄)

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