iSCSIストレージ市場の「空白」を攻略、米ネクサンが宣言サーバ仮想化で拡大する需要に照準

» 2009年05月11日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]

 低消費電力とコスト・パフォーマンスを特徴とするストレージ・ベンダの米ネクサン・テクノロジーズが、国内でiSCSI対応ソリューションの展開を開始した。国内におけるiSCSIストレージ市場の拡大によるビジネス機会を追求する。

 国内で4月15日に発売した新製品は「Nexsan iSeries」。これはNexsanのRAIDストレージと組み合わせて、高機能な統合iSCSIストレージとして利用するためのアプライアンス。サーバに対してはiSCSI、同社のストレージに対してはファイバチャネルで接続する。iSeriesは2モデルで構成。「iSeries 200i」(参考価格247万8000円)はiSCSIを2ポート、ファイバチャネルを2ポート搭載、最大500TBのストレージシステムを構成できる。 「iSeries 400i」(参考価格457万円)はiSCSIを3ポート、ファイバチャネルを4ポート搭載。最大1PBのストレージシステムを実現可能。

上がNexsan iSeries。下はネクサンのストレージ製品「SATABeast」

 米ネクサンのCEO、フィリップ・ブラック(Phillip Black)氏は、「デルのイコールロジック買収、ヒューレット・パッカードによるレフトハンド・ネットワークス買収で、iSCSIストレージ市場には空白ができている。ここにビジネスチャンスがある」と説明した。

 iSCSIはサーバ仮想化との相性に優れることが知られている。iSeriesはヴイエムウェアの認定を取得済みだ。加えてiSeriesでは、可用性確保などに役立つ機能を搭載。これにより、従来は高価な製品を使うしかなかったソリューションを、安価で実現できることをアピールしていく。

 iSeriesは、オンラインでのデータ・マイグレーション、データ・ミラーリング、データ・ストライピング、スナップショット、同期/非同期のデータ・レプリケーションといった機能を標準で搭載。ソフトウェアライセンス料やストレージ利用量に応じた課金は発生しない。データ・マイグレーションはあるストレージシステムから別のストレージシステムへのデータ移動を実現。データ・ミラーリングでは複数のストレージシステムに対してiSeriesから同時に書き込みを行える。データ・ストライピングでは、複数のストレージシステムにまたがってデータをストライプ書き込みできる。スナップショットでは、本番データボリュームとは別のRAIDボリュームにスナップショットを作成できる。

 レプリケーションでは、プロックレベルでの変更部分のみを伝送することで、通信回線の帯域消費を抑えることができる。

 ネクサンは、iSeriesと同社RAIDストレージの組み合わせで、ミッドレンジあるいはローワーミッドレンジのストレージ市場を開拓する。

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