10月に入り、ITインフラの運用管理を支援するオープンソースソフトウェアが相次いで、日本でのサービス強化を表明した。
ラトビアのZabbix SIAは10月3日、オープンソースの統合監視ソフトウェア「Zabbix」のサポート強化や国内パートナー支援を目的に、10月1日付で日本支社のZabbix Japanを設立したことを発表した。代表には、ZABBIX-JP代表の寺島広大氏が就任している。
Zabbixは、サーバやネットワーク機器、その上で動作する各種サービスを監視し、障害発生時には通知してくれる統合監視ソフトウェアだ。柔軟な通知メカニズムやグラフィカルなインターフェイス、RDBMSを利用した監視データの長期保存など、オープンソースでありながら、商用製品に匹敵する機能を備えている。同じくOSS統合運用監視ツールとしては「Nagios」も有名だが、テンプレートによる効率化やカスタマイズ性などに特徴がある。
すでに2012年9月末時点で11社がパートナーとなり、Zabbixに関するオフィシャルサポートや導入コンサルティングサービスを提供している。今回の日本支社設立を機に、日本でのサポート体制をさらに強化。国内におけるZabbixの普及に努めるという。
また10月2日にはクリエーションラインが、オープンソースのサーバ設定自動化ツール「Chef」に関して米Opscodeと提携を結んだ。クリエーションラインは今後、Chefのサーバディスクリプションライセンスを販売するほか、保守サポートや導入コンサルティング、トレーニング、導入インテグレーションといったサービスを提供していく。
Chefは、「Puppet」と並んで有名な、Rubyで書かれたOSSのサーバ設定管理ツールだ。同じくRubyで設定や構成を記述した「Recipe」に基づいて、サーバ展開を自動化する。例えば、急激なサービス拡張にともない多数のサーバを一気に展開しなければならないような状況で、人為ミスをなくし、作業を効率化してくれる。公開されているほかのRecipeを利用して、さまざまな環境を構築することも可能だ。
クリエーションラインでは、すでに提供しているクラウドインフラストラクチャの導入支援サービスとともにChefを提供し、クラウド環境の効率的な導入、運用を支援していくという。
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