それでは、オンラインREDOログ・ファイルの設定が適切でない場合、更新処理のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、実際に例を挙げて見てみましょう。以下の例は、オンラインREDOログ・ファイルのサイズが100Mbytesの環境と1Mbytesの環境で、同一の更新処理を実行し、処理時間と実行統計を取得した結果になります。
読み取りブロック数、発生したREDO SIZEはほぼ等しいにもかかわらず、オンラインREDOログ・ファイルサイズが1Mbytesの場合は、倍近くの時間を要しています。この差は、オンラインREDOログ・ファイルサイズが小さすぎることにより引き起こされています。ログ・スイッチ時のチェックポイント待機状況は、動的パフォーマンスビュー「V$SESSION_EVENT」により確認することができます。オンラインREDOログ・ファイルサイズが1Mbytesの場合の確認結果が図4になります。
図4の「TIME_WAITED」(単位1/100秒)を確認することで、チェックポイントの完了までに271.46秒の待機が発生していたことが分かります。
上記の結果からも分かるように、大量更新処理のパフォーマンスには、オンラインREDOログ・ファイルのサイズが非常に重要となります。オンラインREDOログ・ファイルの適切なサイズはシステムによって異なりますので、ログ・スイッチの回数が1時間に2〜3回以下に収まることを目安にサイズを調整していきます。一般的なシステムでは、オンラインREDOログ・ファイルのサイズは、100Mbytes〜数Gbytes程度となります。
なお、オンラインREDOログ・ファイルのサイズを大きくした場合、以下のような影響が発生しますので、パフォーマンスとそのほかの影響のバランスを考慮したうえで、サイズを決定してください。
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