実際の社内SNSの利用実態を紹介します。手嶋屋では、2年ほど前からOpenPNEを社内SNSとして利用してきました。
手嶋屋の社内SNSに参加しているのは、手嶋屋社員、業務委託スタッフ、アルバイト、インターンで、全部で40名ほどです。業務に関連する情報も少からず流れるので、NDA(秘密保持契約)を結んだ人にのみ参加を許可しています。手嶋屋では、アルバイトや社員が参加したときに最初
プロフィールはSNSでコミュニケーションを取るための基本なので、細かく記入してもらっています。プロフィール登録をしてもらうとき、社内で決めていることは次の事項です。
OpenPNEは管理画面の設定で、PNEBIZモードという機能を選択することで、簡易グループウェアとして機能させることができます。PNEBIZ機能は社内SNSのために作られた機能で、手嶋屋のような組織が20人ぐらいまでのスケジュールを扱うのに適しています。スケジュールは携帯からも閲覧することができるので、朝起きたらまずスケジュール確認という使い方をしています。グループという概念によってメンバーのスケジュールを一覧で見ることもできます。
日記の欄で一番使われることが多いのは、「遅刻の連絡」です。社内SNSとしてルール化した使い方ではないのですが、単なる寝坊からやむを得ない事情のときまで、主に日記を使って連絡をしています。OpenPNEは携帯からも使えるので、移動中にSNSにログインをして報告をすることが多いようです(もしくは寝坊をした布団の中から)。
また、日記で報告すると、メールやほかの手段で報告するよりも心理的に楽というのがあるようです。遅刻をすることで、ほかのスタッフや仕事に迷惑が掛かる場合には、直接連絡を取るようにしてもらっています。遅刻に限らずミスをしたとき、不都合が起きたときに連絡してもらうことが重要だと思います。
次に使われているのは、面白いサイトの紹介です。これも社内SNSで特に決まったルールはありませんが、WebサイトやYoutubeの動画、価格.comの小窓を使った商品の紹介などに使っています。日記にコメントが付いていくことで、より深い議論や関連するサイトのリンクが紹介されたりします。
ほかにも、具体的な構想になっていなかったり、しっかりと設計や企画の会議で議論するほどではないけれど、ちょっとほかの人にも読んでほしいアイデアやノウハウなどを日記で書き残すようにしています。より洗練されたノウハウはタイトルに【ノウハウ】と付けることで、後から検索できるようにしています。
コミュニティも特徴的な使われ方をしています。手嶋屋では部活動のようなイメージで、各種コミュニティが立ち上がっています。
カラオケ、フットサル、早起き同盟、スーツ部、スイーツ部、桃鉄部、自炊部等のコミュニティが作られています。業務に関連するコミュニティも立ち上がっていますが、こちらは従来のメールなどのツールを使う傾向が強く、あまり活発ではありません。
手嶋屋は社内SNSのほかに、通常のメール、メーリングリスト約100個、社内チャットルーム4個。trac(プロジェクト管理ツール)2個を利用して業務を進めています。全業務をSNS内で無理やり完結させようとはせずに、各業務に適したツールを選択して利用するようにしています。
例えば、ToDo管理については、以前はPNEBIZに備わっていた機能を使っていましたが、業務が複雑になるにつれSNSだけではカバーし切れなくなったため、現在はtracに置き換えられています。最近では、メーリングリストの代わりに、チャットを積極的に使うようにしています。
毎日ログインするSNSにスケジュールが表示されるので、予定が確認しやすくなりました。外出先でもスケジュール確認が行えるように、急なスケジュールの変更にも対応しやすくなりました。
日記やコミュニティでの日常的な発言を読むことで、スタッフ1人1人の現在の状況についてこれまでよりも分かるようになりました。カレンダーに参加者の誕生日が表示されるので、スタッフの誕生日を祝う機会が増えました。
業務とは直接関係ない、フットサルやカラオケ、スイーツなどでコミュニケーションすることで、会社の風通しが良くなった気がします。これまでの業務ではかかわらない人とも接点ができたので、新規プロジェクト立ち上げのときに、こうした非正規コミュニケーションが生きました。
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