The Linux Foundationは4月3日、「Linux Kernel Development」(Linuxカーネル開発)と題するレポートを公開した。Linuxカーネルの開発の歴史を簡単に解説したもの。開発に携わるエンジニアの数や支援する企業、開発スピードについてのデータも公開している。
2005年以来、Linuxカーネルの開発に参加したのは、200以上の企業に属する3700人強のエンジニアだ。最近のカーネル公開版には、1万におよぶパッチが含まれており、それぞれのカーネル版の開発には、100以上の企業の1000人近くのエンジニアが参加している。
1991年にリーナス・トーバルス(Linus Tovals)によって公開されたLinuxカーネルは、2.6.xになってから時間厳守の公開モデルとなった。2005年にオタワで開催されたカーネル開発者サミットで、カーネルの公開頻度を2〜3カ月にすることが決定された。
Linux開発コミュニティの人口はこの3年間で2倍になっているとレポートは述べている。多くの仕事は比較的少数の個人が行っている。過去3年間は、上位10人の開発者が修正の約15%を行っているというデータがある。トップはAl Viro氏で、1.9%(1571)の修正に貢献している。
最も多くのカーネル開発者を雇用している企業は、Red Hat(11.2%)。2位はNovel(8.9%)、3位はIBM(8.3%)だった。支援企業が確認できなかった開発者は全体の12.9%、企業からの支援がないことが判明している開発者は同13.9%である。70%のカーネル開発は、企業の正規の仕事としてなされているという。
なぜ企業はカーネル開発を支援するのだろうか。レポートでは、カーネル強化が、その企業のマーケットにおける競争力強化につながるからと分析している。
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