ハート型TFT液晶の試作に成功、NEC凹型の形状は世界初

» 2008年05月20日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]
NEC液晶テクノロジーが公開した試作機の写真。低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレイで、画面表示部は幅4センチ、高さ3.6センチ

 NEC液晶テクノロジーは5月19日、自由度の高い曲線を含むTFT液晶ディスプレイを実現する技術を開発したと発表した。これまでTFT液晶ディスプレイは長方形が主流だった。へこみのある凹型の曲線を実現したのは世界で初めとしており、同社はハート型の低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレイのモジュールの試作に成功した。

 ディスプレイの各画素に信号を送り届けるゲート線とデータ線の配線がシンプルになるよう、画素および駆動回路の配置を表示画面の形状に応じて最適化した。これまでにも曲線を取り入れた液晶ディスプレイはあったが、形状が複雑になると駆動回路の配線が複雑になることから、円形や楕円など簡単な形状のものに限られていた。同社は、今回の技術開発により、組み込み先の制約条件への適応という目的だけでなく、よりデザインを優先した自由な形状を実現することが可能となるとしている。

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