Windows Server 2008資格を狙え!Windows Server 2008資格を狙え!(1/2 ページ)

Windows Server 2003対応MCP資格者が、Windows Server 2008対応MCP資格を取得するためには、差分として何を勉強すればよいか。必要な試験科目、学習方法、高得点を狙うコツを解説。

» 2008年12月11日 00時00分 公開
[横山哲也グローバル ナレッジ ネットワーク]

MCP資格とは

 MCP(Microsoft Certified Professional:マイクロソフト認定技術者)は、マイクロソフト製品に関する深い知識を持つITエンジニアの認定資格である。2008年現在、MCPには以下の3つのレベルがある。

●テクノロジーシリーズ

テクノロジーシリーズは、単一の製品や単一の技術に関する知識とスキルを認定する試験で、合格者は「マイクロソフト認定テクノロジースペシャリスト」(MCTS)と呼ばれる。試験1科目の合格で認定される、最も手軽なMCP資格だ。MCTSは、特定の製品の実装、構築、トラブルシューティング、デバッグなどのスキルを持つことの証明である。ただし製品によってはいくつかの資格に分割される。

 Windows Server 2008の場合、試験は以下の3科目。

試験番号 試験の種類 試験科目
70-640 TS Windows Server 2008 Active Directory, Configuring
70-642 TS Windows Server 2008 Network Infrastructure, Configuring
70-643 TS Windows Server 2008 Applications Infrastructure, Configuring

 先にも述べたとおり、MCTSは与えられた環境で、特定の製品に対する運用管理とトラブルシューティングを行えるスキルの証明である。ただし、複数の製品や技術にまたがったり、新規にシステムインフラを整えたりするようなスキルは想定していない。

●プロフェッショナルシリーズ

 プロフェッショナルシリーズは、単なる製品知識を問うだけではなく、業務上の要求を実現するための知識とスキルを認定する試験で、合格者は「マイクロソフト認定ITプロフェッショナル」(MCITP)または「マイクロソフト認定プロフェッショナルデベロッパー」(MCPD)と呼ばれる(どちらに認定されるかは試験ごとに決まっている)。

 MCITPは、基盤、ネットワーク、データベース分野の専門知識と職務遂行能力を証明する資格である。この資格によって、データベース管理/開発、ビジネスインテリジェンス、ユーザーサポートなどのプロフェッショナルであることが証明される。MCPDは、言語・開発分野のスキルを証明する資格であり、この資格によって、Windowsアプリケーション開発、Webアプリケーション開発、またはエンタープライズアプリケーション開発のエキスパートであることが証明される。

 MCITPまたはMCPDを取得するには、定められたMCTS資格をすべて取得し、さらに専門試験に合格する必要がある。例えば、Windows Server 2008には2つのMCITP資格があり、以下のような条件がある。

試験番号 試験の種類 試験科目
70-640 TS Windows Server 2008 Active Directory, Configuring
70-642 TS Windows Server 2008 Network Infrastructure, Configuring
70-646 PRO Windows Server 2008, Server Administrator
サーバーアドミニストレーター(ITインフラの運用管理を担当)

試験番号 試験の種類 試験科目
70-640 TS Windows Server 2008 Active Directory, Configuring
70-642 TS Windows Server 2008 Network Infrastructure, Configuring
70-643 TS Windows Server 2008 Applications Infrastructure, Configuring
70-620 TS Microsoft Windows Vista, Configuringまたは
70-624:TS:Deploying and Maintaining Windows Vista
Client and 2007 Microsoft Office System Desktops
70-647 PRO Windows Server 2008, Enterprise Administrator
エンタープライズアドミニストレーター(ITインフラの計画や設計を担当)

 テクノロジーシリーズの試験科目名には「TS:」が付加されるのに対して、プロフェッショナルシリーズ固有の試験科目名は「PRO:」が付加される。

 MCITPは、単に既存の環境の運用管理ができるだけではなく、システム構築まで行えるスキルの証明である。ただし、システムインフラ全体の設計までは要求されない。

●マスターシリーズ

 MCITPよりも上位の資格にMicrosoft Certified Masterがある。Microsoft Certified Masterは、ネットワークを含むシステムインフラ全体の設計、計画、実装、保守に対するスキルを持つことの証明である。ただし、日本では認定業務が行われていないため、詳細は省略する。

Windows Server 2003のMCPからのアップグレード  Windows Server 2003以前は、MCTS相当の資格を単に「MCP」と呼んでいた。また、MCITPに相当するのがMCSA(Microsoft Certified Systems Administrator)やMCSE(Microsoft Certified Systems Engineer)といった(MCPの)上位資格だった。

 Windows Server 2003のMCSA取得者は「70-648:TS:Upgrading Your MCSA on Windows Server 2003 to Windows Server 2008, Technology Specialist」に合格することで、70-640および70-642の2科目に合格と見なされる。ただしMCITPの必須試験70-646は免除されない。つまり、MCSAからMCITP(サーバーアドミニストレータ)へのアップグレードには70-648と70-646の2科目に合格する必要がある。

 一方、Windows Server 2003のMCSE取得者は「70-649:TS:Upgrading Your MCSE on Windows Server 2003 to Windows Server 2008, Technology Specialist」に合格することで、70-640、70-642、70-643の3科目に合格していると見なされる。ただし、MCSAの場合と同様、MCITP(エンタープライズアドミニストレーター)の必須試験70-647は免除されない。そのため、MCSEからMCITP(エンタープライズアドミニストレーター)へアップグレードする場合は、70-649と70-647の2科目に合格する必要がある。

図 Windows Server 2008対応MCP 試験体系 (出典:マイクロソフト Webページ) 図 Windows Server 2008対応MCP 試験体系 (出典:マイクロソフト Webページ 

 70-648の試験問題は2つ、70-649の試験問題は3つのパートに分かれている。各パートを完了し、次のパートへ進むと、完了したパートは見直すことができない(ほかのMCP試験同様、パート内での見直しは可能)。

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