企業に人事業務のサポートを提供しているレジェンダ・コーポレーションは12月19日、2010年4月入社を目指す就職活動中の大学生、大学院生に対する調査結果を発表した。日本経済の減速、企業の採用抑制の動きから、学生が就職活動に対する強い危機意識を持っている結果が現れた。複数の情報源から情報収集をしたり、年内に説明会へ参加するなど、早くから準備に勤しむ様子がうかがえる。
調査は就職活動をしている5万9219人の学生に対し、2008年11月10〜16日の1週間、インターネット上で実施した。有効回答数は1万65人。男子が52.9%で女子は47.1%。文系が55.2%、理系が44.7%。理系の約7割が大学院生。
「学生が就職活動で知りたい情報」として最も多かった回答は、昨年同様、「具体的な仕事内容についての紹介」(74.9%)だった。だが、学生が就職活動で知りたい情報を昨年比で見ると、最も増加しているのは「企業の事業内容についての紹介」(11.1ポイント増)。反対に、昨年比で最も減ったのは「働き方や残業時間」(10.8ポイント減)だった。
「企業や仕事の情報を得るために、活用したいもの」では、昨年同様、企業の「採用ホームページ」(94.4%)が最も多かった。「採用ホームページにはどのような情報があると就職活動の役に立つか」では、「先輩社員や仕事内容紹介やインタビューの記事」(73.1%)が1番多かったが、昨年比では、「企業の経営方針」(10.6ポイント増)が最も増加した。「企業の経営方針」は回答も2番目に多く58.9%。昨年2位「写真による社内風景や社員の紹介」(51.8%)を抜いた。
レジェンダ・コーポレーションは「学生は、先輩社員の具体的な仕事内容だけでなく、企業の経営方針や事業内容など企業の実態について情報を得ようとしている」とコメントしている。就職活動が学生にとって売手市場だった昨年までと比べ、学生の情報収集の姿勢には変化が見られる。
「企業や仕事の情報を得るために、活用したいもの」で2番目に多かったのは「就職情報サイト」(83.9%)で、昨年比で見ると14.1ポイント増と最も増加率が高かった。
「自身の就職活動の見通し」では、「苦戦しそう」(66.9%)と考えている学生が多く、会社説明会には、「すでに参加している」「11月(に参加する予定)」「12月(に参加する予定)」が全体の9割を占める。内定取り消しやリストラなど、雇用に関する暗い出来事が多発する中、不安感を煽られた学生は、そのような事態が自身に及ぶのを防ぐため、早くから説明会に参加したり、多方面から情報収集をしたりすることで、企業の実体を吟味している。
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