正男さんは説明を続けます。
正男 「そこで、LANからインターネットに接続するためには、、プライベートIPアドレスからインターネットに通用するグローバルIPアドレスにアドレスを変更する必要があります」
芽衣子 「インターネットはグローバルアドレス同士でしか通信できないと考えておけばいいのね」
正男 「そういうことです。プライベートアドレスとグローバルアドレスは通信できません。すみません」
そういうと、正男さんはすたすたとルータの方に歩み寄って指さします。
正男 「そして、プライベートアドレスをグローバルアドレスに変えてくれる機械もこのルータなのです!(※)じゃーん!」
芽衣子 「はあ、そう」
芽衣子さんにとってはただのうるさい箱(※)なので、特に感動もないのですが、一応お愛想で返事だけしておきます。
正男 「このルータが芽衣子さんからインターネット行きのデータを受け取ると、IPアドレスを192.168.1.13からグローバルアドレスに変換してくれているのですよ」
というとまた芽衣子さんの席に戻ります。正男さんは意外とルータが好きなようで、ルータの話をするときは生き生きしています。
正男 「でも、本当にアドレスが変換されているのか? という疑問があると思います」
芽衣子 「いわれるまでは考えてなかったけど、確かにそうね」
正男 「なので接続元のIPアドレスを確認するサイトに接続してみます」(PHPによる環境変数チェック)
芽衣子 「そんなところがあるんだ」
正男 「芽衣子さんのマシンから接続していますが、表示されているのはルータのグローバルIPアドレスですね」
芽衣子 「ホントだ。192.168.じゃないわ」
正男 「この会社の場合、グローバルアドレスは1つなので、誰がアクセスしてもこのグローバルアドレスになるのですよ」
芽衣子 「私の家のマシンも192.168.0.2だったから、こんなふうに勝手にルータがグローバルアドレスに変換しているのよね」
正男 「そうですね」
正男 「ルータは192.168.0.1というアドレスとグローバルアドレスを持っていてこの2つの橋渡しをしているのですよ」
芽衣子 「ルータって意外と仕事しているのね」
ちょっと芽衣子さんは疑問に思います。グローバルアドレスは1つなのにローカルのIPアドレスはたくさんありますよ。
芽衣子 「グローバルアドレスは1つなのに会社のいろんな人から一気にアクセスがあった場合は大丈夫なの?」
正男 「そのへんはこのルータさんがちゃんと頑張ってくれていて、そのリクエストは芽衣子さんのマシンからだということを覚えていて、インターネットからの返事はちゃんと芽衣子さんのマシンに返ってくるようになっているのですよ。その辺この子頭がいいんですよね」
芽衣子 「この子??」
正男 「このルータはほかにもすごいところがあって……」
芽衣子 「ふーん、難しいことはいいわ。ちょっと休ませて」
少し興奮気味にまくしたてる正男さんを見ていると疲れがどっと出てしまいました。
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