Data Guard環境ならではの問題と対処法Oracleトラブル対策の基礎知識(7)(2/4 ページ)

» 2009年04月14日 00時00分 公開
[峯岸隆一株式会社コーソル]

REDOデータの転送方法

 ここでは、プライマリ・データベースに対し、1つのスタンバイ・データベースを構成した例を図でご説明します。

図2 前提とする構成(フィジカル・スタンバイ構成) 図2 前提とする構成(フィジカル・スタンバイ構成)

◆実行環境

Oracle Database 10g Enterprise Edition Release 10.2.0.4.0

Red Hat AS 4.6


 前述のようにプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースはOracle Netを介し通信しています。プライマリ・データベースで発生したREDO情報をREDOストリームとしてスタンバイ・データベースに転送し、そのREDO情報を適用することで同期を取ります。

 REDO適用時の詳細については図3のとおりです。

図3 REDO情報適用時の処理の流れ 図3 REDO情報適用時の処理の流れ

 図3に示した流れの、それぞれのポイント(数字を付与した個所)では次のような処理を行っています。

1.プライマリ・データベースで実行されたトランザクションに対し、REDO情報が作成されます

2.作成されたREDO情報はログライター・プロセス(LGWR)によりオンラインREDOログに書き込まれます

3.オンラインREDOログは所定の条件を満たすとアーカイバ・プロセス(ARCn)によりアーカイブREDOログファイルを作成します

4.ログ転送方式がLGWR転送の場合、ログライター・プロセス(LGWR)によりリモート・ファイル・サーバ(RFS)プロセスにREDO情報を送信します(ログ転送方式については後述)

5.ログ転送方式がARCH転送の場合、アーカイバ・プロセス(ARCn)よりリモート・ファイル・サーバ(RFS)プロセスにREDO情報を送信します(ログ転送方式については後述)

6.スタンバイREDOログが存在する場合にはスタンバイREDOログを更新します

7.アーカイバ・プロセス(ARCn)がアーカイブREDOログを作成します

8.スタンバイREDOログが存在しない場合にはRFS(リモート・ファイル・サーバ)が直接アーカイブREDOログを作成します

9.生成されたアーカイブREDOログファイルは管理リカバリ・プロセス(MRP)によりフィジカル・スタンバイ・データベースに適用されます

注意!

 スタンバイREDOログについては作成しなくてもフィジカル・スタンバイ・データベースは構成できますが、最大保護モードと最大可用性モードが選択できなくなります。スタンバイREDOログとデータ保護モードの詳細についてはマニュアル「Oracle Data Guard 概要および管理」をご参照ください。


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