ここでは、プライマリ・データベースに対し、1つのスタンバイ・データベースを構成した例を図でご説明します。
◆実行環境
Oracle Database 10g Enterprise Edition Release 10.2.0.4.0
Red Hat AS 4.6
前述のようにプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースはOracle Netを介し通信しています。プライマリ・データベースで発生したREDO情報をREDOストリームとしてスタンバイ・データベースに転送し、そのREDO情報を適用することで同期を取ります。
REDO適用時の詳細については図3のとおりです。
図3に示した流れの、それぞれのポイント(数字を付与した個所)では次のような処理を行っています。
1.プライマリ・データベースで実行されたトランザクションに対し、REDO情報が作成されます
2.作成されたREDO情報はログライター・プロセス(LGWR)によりオンラインREDOログに書き込まれます
3.オンラインREDOログは所定の条件を満たすとアーカイバ・プロセス(ARCn)によりアーカイブREDOログファイルを作成します
4.ログ転送方式がLGWR転送の場合、ログライター・プロセス(LGWR)によりリモート・ファイル・サーバ(RFS)プロセスにREDO情報を送信します(ログ転送方式については後述)
5.ログ転送方式がARCH転送の場合、アーカイバ・プロセス(ARCn)よりリモート・ファイル・サーバ(RFS)プロセスにREDO情報を送信します(ログ転送方式については後述)
6.スタンバイREDOログが存在する場合にはスタンバイREDOログを更新します
7.アーカイバ・プロセス(ARCn)がアーカイブREDOログを作成します
8.スタンバイREDOログが存在しない場合にはRFS(リモート・ファイル・サーバ)が直接アーカイブREDOログを作成します
9.生成されたアーカイブREDOログファイルは管理リカバリ・プロセス(MRP)によりフィジカル・スタンバイ・データベースに適用されます
注意!
スタンバイREDOログについては作成しなくてもフィジカル・スタンバイ・データベースは構成できますが、最大保護モードと最大可用性モードが選択できなくなります。スタンバイREDOログとデータ保護モードの詳細についてはマニュアル「Oracle Data Guard 概要および管理」をご参照ください。
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