人材紹介会社のワークポートは5月15日、同社のサービス利用者の転職理由について職種・年代別にまとめた調査を発表した。
調査は2008年9月1日から2009年3月31日までに同社の人材紹介サービスを利用したユーザーのうち、無作為に抽出した168人を対象に行った。対象者に個別インタビューを行い、職種を「開発エンジニア」「ネットワークエンジニア」「クリエイター」「営業」「バックオフィス」の5つに、回答内容を「会社事由(遠因・近因)」「雇用条件」「職場環境」「仕事内容に不満」「スキル・キャリア形成ができない」「自己都合」の6つに分類した。
転職理由については、「希望するスキル・キャリア形成ができない」という理由が総合1位となった。「営業」を除く4職種でトップとなっている。「仕事内容に不満(職務内容変更も含む)」がそれに続いた。
開発系エンジニアにおいては、「上流工程やマネジメントに携わりたい」というキャリアアップのための転職理由が多かった一方で、「現場に戻りたい」「顧客折衝よりもプログラムを書きたい」という意見も目立った。
また、開発系エンジニアは「フリー(個人事業主)から事業会社への就業」を希望しつつも雇用条件に対する不満が比較的少なかった。それに対し、ネットワークエンジニアは「派遣・契約から正社員に」という声が多い傾向にあった。
クリエイターは「仕事の幅を広げたい」「もっとさまざまなコンテンツを手がけたい」といった業務の多様性を求める傾向が目立った。また、エンジニアと比べて、事業部の撤退や倒産、給料未払いなどの経営状況への不信という転職理由が多かった。
営業は他職種に比べて転職理由に大きな違いが出た。総合1位の「希望するスキル・キャリア形成ができない」は最下位となり、総合4位の「雇用条件(給料・雇用形態など)」が1位となった。同社では、「営業職は業績が数値として可視化できるため、給料への不満・欲求が転職につながるケースが多い」と分析している。
転職理由を年代別に見ると、大きな傾向の違いは見られないものの、20代は「希望するスキル・キャリア形成ができない」が、30代と40代は「仕事内容に不満(職務内容変更も含む)」が1位となった。
また、不況に伴う「業績不振による事業部撤退」「倒産」「職務内容の大幅な変更」などによる転職者は20代の割合が多かった。「20代は早々に会社に見切りをつける人が多い。ただし、昨今の転職市場においては、若手のポテンシャル採用よりもマネジメント経験をもった30代の即戦力を求める声が強く、ギャップが生じている」と分析している。
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