日本ヒューレット・パッカードは5月20日、就職活動のサポートを目的としたプロジェクト「SHUKATSU It's MEプロジェクト」を発表した。
同プロジェクトは、学生の「個性」と「創造力」を引き出すことを目的とする。プロジェクト名には「It's ME=これがわたしだ」という意味がこめられているという。
同社がプロジェクト推進リーダーを務め、大学教授や経営者によって構成される「SHUKATSU It's MEプロジェクト応援委員会」が運営に当たる。
また、国内企業の経営者や有識者など25人が参加して「エグゼクティブ・サポーター」を結成。マイクロソフトやソフトバンクなどのIT関連企業から、ヤマハや日本交通、丸紅など、幅広い業種の経営者が賛同している。
プロジェクトの核となるプログラム「SHUKATSU It's Meグランプリ」では、「エグゼクティブ・サポーター」が「個性を引き出す質問」をホームページ上で出題し、学生の解答を募集する。寄せられた解答の中から、出題者が優秀賞を選び、解答者には出題者と直接会談する機会が与えられるという。また、ホームページ上でほかの学生からの評価を受けることも可能だ。問題は1、2週間ごとに順次出題予定。
第1問は、同社 代表取締役社長執行役員の小出伸一氏から出題された。「これから就活の最終面接。なのに、リクルートスーツに白いペンキが! この逆境をチャンスに変えた、あなたらしいアイデアとは?」というもの。小出氏は「解答は全部見たいと思っている」と意気込みを見せた。
小出氏は「マニュアル化された就職活動ではなく、自分の個性を引き出し、表現する場として、学生が夢を持って就職活動に挑戦できるようにしたい」と、同プロジェクトの狙いを語った。
応援委員会の一員である一橋大学教授の米倉誠一郎氏は「悲しくなりますよね、真っ黒な服を着て、町をかけ回っている学生を見ていると、本当にこれでいいのかなと思う。赤いスーツを着る人がいたら面白いけれど、そういうことをする勇気がある人もあまりいない。これからの時代を担う若い人が、新しい知識を作っていくためには、どれだけ早く問題を解くかではなく、どれだけ自分で問題を探して答えるかという情報創造能力が必要」と語った。
大学側の協力もある。「キャンパス・サポーター」として、青山学院大学、中央大学、帝京大学、東海大学、法政大学、早稲田大学の6大学、7キャンパスが参加する。大学内には「SHUKATSU It's ME キャンパス・ステーション」を設置し、プロジェクト参加の窓口とする。
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