メールの仕組みを勉強しよう。実は、送信用と受信用のサーバは分かれてます。パスワードが必要なのは送受信のどっち?
今回学ぶこと
ゴールデンウイークも瞬く間に過ぎていき、大量のリリース案件に日々残業続きでネットワークの引き継ぎどころではない芽衣子さんです。
忙しさのために殺気みなぎる芽衣子さんの元には誰も近寄ることもなく、1人で黙々と作業して夜中に帰宅しては話題の婚活情報サイトに、怒りをぶつける毎日です。
「私はゴールデンウイークも出社したっていうのに何が婚活よ!」
正男さん
本社の大きなイベントも終わったものの、また物騒な実験を行うらしく気が気ではありませんが、帰りたくないのでなるべく知らないふりをしています。
芽衣子さん
ゴールデンウイーク明けで夏の新製品に向けた本業が忙しくてたまりません。SMTPとかPOPとかいわれてもわけが分かりませんよ。
成沢さん
連休は実家に戻って、社内政治活動したり情報収集したりいろいろ暗躍してきました。やる気だけはみなぎってますが出番は少なめです。
そして、黙々と大きな案件の最後のリリース作業を終え、ほっと一息ついている芽衣子さんの元に、休んでいるのを見計らっていたかのようにいつものあの男どもがやって来ます。正男さんと成沢さんです。せっかく今日は早く帰ってニコニコ生放送でも見ようと思っていたのに……。まったくもって油断なりません。
正男 「お久しぶりです。こんにちは。いま忙しいのですか?」
芽衣子 「い、いまリリースが終わったの。このメールを送ったら帰ろうかと」
焦ってしまって正直に答えてしまいました。
正男 「じゃあ、まだ終業までにはちょっとありますのでお時間いただけますか。いいかげん早く引き継ぎしろとグローバルにせっつかれているもので……。ただ、芽衣子さんがいまのままじゃ、管理できないでしょうから」
正男さんもモジモジしながら申し訳なさそうに話しています。
芽衣子 「分かったわよ。勉強すればいいんでしょ」
正男 「前回までで、一応Webのことは一通り説明したのですが、大丈夫ですか?」
芽衣子 「Webサーバからhtmlファイルが送られてきて、それをブラウザで見るんだったわね」
正男 「ポートは80ですよ」
芽衣子 「ばっちりよ、ニコ動だって男の子牧場だってWebから見てるんだから大丈夫よ!」
正男 「婚活ですか……」
正男 「Webの次はメールの仕組みについてお話ししようと思いますが、いいですか?」
芽衣子 「よくないけど……。私も一応ビジネスパーソンなのでメールくらいは毎日使っているわ」
芽衣子さんは本当は早く帰りたいのですが、根がまじめなためつい答えてしまいます。
正男 「じゃあ、設定とか分かりますよね……。じゃあ説明しなくてもいいですかね」
芽衣子 「設定って何よ。パソコン買ってきてから、やったことないわよ」
正男 「会社のマシンは?」
芽衣子 「誰かがやってたから、私は知らないわ」
Webのこと以外はまるで分からない芽衣子さんです。
正男 「設定も分からないなら仕組みも分かるわけないですか……。では、取りあえずインターネットにどのようにメールが送信されるのか、ざっくり説明していきますね。その後設定の話をします」
芽衣子 「しょうがないわね、聞いてあげなくもないわ」
正男さんは手持ちのラテを一口飲んで説明を始めます。正男さんの口の周りには白い砂糖のようなモノが付いていて、きっとこいつらヒマだから甘いものでも食ってからこっちに来たに違いないと思うと芽衣子さんは怒りが込み上げてきますが、説明を受けている身なのでぐっと我慢します。
正男 「まず、Webと違って、メールには送信用と受信用の仕組みが別になっています」
成沢 「送信用がSMTP、受信にはPOP3とIMAP4があるな」
正男 「何それ? 聞いてないわ?? いきなり横文字はなしよ」
成沢 「お前、そんなことも知らなくて、よくネットに詳しいとかいってたよな」
芽衣子 「でも、あんたたち『歪みねぇな』、とか分かんないでしょ?」
正男 「分かりません。芽衣子さん、とても……、詳しいです」
ちょっと誇らしげな芽衣子さんとやり込められた正男さんを尻目に成沢さんは紙に図を描き始めます。
成沢 「単純に描くと、こんな感じでメールのやりとりは行われているんだぞ。SMTPサーバからSMTPサーバへメールは渡されて、SMTPサーバがメールスプールに配送したメールをPOP3でもIMAP4でもいいけど受信サーバが受け取りに行くんだ。単純だろ」
芽衣子 「?? ちっとも単純じゃないわ! むしろややこしくなってきたわね」
芽衣子さんはアルファベットを並べられても訳が分かりません。
正男 「まあ、難しく考えずに、いまは聞き流してください」
芽衣子 「お言葉に甘えて、分からないことは後回しにさせていただくわ」
正男 「送信と受信は別のサーバがやってるくらい、覚えていただければいいかと……」
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