IE8は現在のところ、ユーザーがダウンロードして自分でインストールする必要があるが、すでに2009年5月25日より、自動更新/Windows Update/Microsoft Updateによる配布が始まっている。すべてのコンピュータに対して自動配布されるわけではないし(対象のOSやService Packレベルが決まっている)、ユーザーが承認しない限りインストールされることはないが、すでにインストールしているユーザーもいるかもしれない。会社組織などでまだ導入を控えたい場合は、IE8のブロック・ツールを使って自動配布されないように設定する必要がある。
IE8の自動配布に関する詳細や、IE8の(導入の)ブロック・ツールの使い方などについては、以下を参照していただきたい。ただしブロック・ツールでは、すでにインストールされたIE8に対して、その利用を停止する機能はない。必要なら手動でアンインストールするなどの操作が必要である。
IE8を組織内で導入・展開する場合、利用するモード(互換表示やSmartScreenフィルタ設定)やネットワーク設定などを統一したり、組織内の独自のリンクやホームページを追加して、環境を統一したいことがある。これを実現するにはいくつか方法があるが、グループ・ポリシーを使ってIEの設定を変更するか、IE管理者キットを使ってカスタマイズしたIE8を作成し、それを配布するという方法が一般的だろう。以下、簡単にまとめておく。
グループ・ポリシーを使えば、IE8の動作モードやリンク設定やネットワーク設定、セキュリティ設定など、さまざまな項目をカスタマイズして利用できる。IE8で新しく導入されたグループ・ポリシーの項目だけでも200項目以上あり、従来のIEとも共通の分も含めると、全部で1300項目以上のカスタマイズ項目がある。特にIE8ではうまく表示できないようなサイトがある場合は(特にイントラネットのサイトなど)、IE8の互換表示モードを強制するようにIE8をカスタマイズするという方法もある。サイト側のコンテンツを全体的に変更するよりも簡単だからだ。IE8で設定可能なグループ・ポリシーの項目については、以下のサイトなどを参照していただきたい。
IE管理者キット8(Internet Explorer Administration Kit 8:以下IEAK8)は、IEのプログラムそのものをカスタマイズして配布用のパッケージを作成するためのツールである。カスタマイズしたIE8を各コンピュータでインストールすることにより、統一されたブラウザ環境を実現できる。グループ・ポリシーによる制御と違い、Active Directoryがなくても利用できるのがメリットである。すでにIE8をインストールしている場合でも、上書きインストールしてIE8の設定を統一することができる。
IEAK8でカスタマイズできる項目には、例えば次のようなものがある。
今回はIE8のセキュリティ関連の機能やIE8の配布/運用に関するトピックを紹介した。このほかにも細かい改良点などもあるが割愛する。必要なら、以下のIE8の開発者向けサイトなどを参照していただきたい。より実践的なIE8のカスタマイズや設定方法などについては、今後運用解説記事やTIPSなどでより詳しく触れることにする。
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