InPrivateフィルタ機能とは、Webサイト間をまたがってサイトへアクセスしたという情報などをブロックする機能である。例えばサイトAの広告スペースとサイトBの広告スペースに同じ種類のスクリプトやWebビーコンなどが組み込まれ、別のサイトC(広告の実体などが置かれているサイト)を指しているとする。ニュースや地図、ショッピング、メールなど、1つの(関連)会社が多くのサイトを展開している場合にはよくあるケースである。このような2つのサイト(サイトAとサイトB)をユーザーが順にアクセスすると、どちらを経由してもサイトCにもアクセスすることになる。この挙動を(サイトCの管理者が)注意深く調べると、同じユーザーが2つのサイトを相互にアクセスしているということが分かる。ユーザーは異なるサイトだと考えていても(もしくは2つのアカウントを使い分けていても)、サイト管理者側ではこのような暗黙の情報を引き出せてしまう可能性がある。これをブロックするのがInPrivateフィルタ機能である(別のサイトへのアクセスをブロックする)。
SmartScreenフィルタとは、フィッシング・サイトや、悪意のあるソフトウェアをダウンロードさせようとするサイトなどを識別し、アクセスをブロックする機能である。IE7にあった「フィッシング詐欺検出機能」が強化されたもので、より分かりやすく、検出率なども向上している。フィッシング詐欺のサイトであるかどうかは、さまざまな判定基準に基づいて判断するほか、マイクロソフトが管理しているデータベースと照合して判定される(ユーザーからもサイトの報告を受け付け、データベースを更新している)。
この機能はデフォルトではオフだが、有効にしておくと、新しいサイトを訪問するたびに、フィッシング・サイトでないかどうかがチェックされる。そのためアクセスのたびに、やや時間がかかることになるので、遅いインターネット回線を利用している場合は、手動で確認するようにしてもよいだろう。
SmartScreenフィルタを有効にすると、最初に一度次のようなダイアログが表示されるので、内容を確認後、[OK]をクリックして先へ進む。
以後、アクセスしたサイトがフィッシング詐欺サイトであると判定されれば、次のような警告画面が表示され、サイトへのアクセスがブロックされる。以前のIE7のものと比べると、はっきりと警告であることが分かる画面デザインになっている(IE7の場合の画面は「使い勝手とセキュリティ機能が改善された新ブラウザ、Internet Explorer 7」参照)。
これを無視してアクセスを強行すると(上の(4)のリンクをクリックする)、次のように、アドレス・バー部分が赤いまま、Webサイトが表示される。
これは完全にフィッシング・サイトであることがデータベースなどから分かっている場合の例であるが、そうでない場合は、そのサイトをフィッシング・サイトとして(マイクロソフトに)報告するかどうかをユーザーに問い合わせるためのダイアログが表示されることがある。OutlookやHotmailの迷惑メールなどと同様に、フィッシング・サイトであるかどうかなどの判断は、ユーザーからのフィードバックも重要な判断基準として利用されている。
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