テンプレートを使った効率的な監視設定ZABBIXで脱・人手頼りの統合監視(4)(2/4 ページ)

» 2009年12月24日 00時00分 公開
[青山雄一ミラクル・リナックス株式会社]

監視項目の追加

 ただテンプレートを作成しただけでは、何も監視設定が登録されていない状態のままです。作成したテンプレートに対し、アイテム、トリガー、グラフを登録します。登録方法は前回紹介した監視設定と同様です。

 [設定]→[アイテム]のホストプルダウンメニューより、先ほど作成したTemplate_App_httpdを選択します。[アイテムの作成]ボタンを押し、アイテムを作成します。

 ここでは、プロセス監視、ポート監視、ログ監視の3つを登録します。

 まずはプロセス監視の設定を行います。プロセス監視で監視をするプロセスは、psコマンドから調査します。

# ps ax
PID     TTY     STAT    TIME    COMMAND
〜〜省略〜〜
2694    ?       Ss      0:00    /usr/sbin/httpd
〜〜省略〜〜

 上記がApacheのプロセスです。上記で得られたPIDからプロセス名称を調査します。ZABBIXで監視対象として設定できるプロセス名称は/proc/PID番号/statに書かれています。

# cat /proc/2694/stat
2694 (httpd) S 1 2694 2694 0 -1 4202560 1511 0 5 0 3 64 0 0 18 0 1 0 161816 23224320 1665 4294967295 10731520 11037288 3215055136 3215054284 2536450 0 0 16781312 134235755 0 0 0 17 0 0 0 8

 上記ファイルの括弧内に書かれているものがプロセス名称です。これを基にアイテムを登録します。

 [アイテムの作成]をクリックし、以下のように設定します。

項目 設定例

名前 :Number of processes of $1

タイプ :ZABBIXエージェント

キー :proc.num[httpd]

データ型:数値(整数)

乗数 :使用しない

アプリケーション:Apache


 以上で、起動中のhttpdプロセスの数を監視できます。

 アイテムの名前中にある$1は、設定内容によって動的に値の変わる変数となります。アイテム名称に$1と書くと、キーに登録されている[]内の1番目の値、ここではhttpdが挿入されます。上記設定では、アイテム名称はNumber of processes of httpdと表示されます。

 次に、ポート監視を行います。現在開放されているポートを調査するには、netstatコマンドを使用します。

# netstat -anp
Proto   Recv-Q   Send-Q    Local Address    Foreig Address   State       PID/Program name
〜〜省略〜〜
tcp     0        0         :::80            :::*             LISTEN            2694/httpd
〜〜省略〜〜

 ZABBIXで監視を行う際には、Local Addressに記載されているポート番号を指定します。上図ではhttpdのポート番号は80番となります。

項目 設定例

名前 :status of port $3

タイプ :ZABBIXエージェント

キー :net.tcp.service[tcp,,80]

データ型:数値(整数)

乗数 :使用しない

値のマッピング:Service state

アプリケーション:Apache


 上記設定では80番ポートが開放されていれば、監視結果が1として得られます。

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