監視サーバを複数使用して複数の監視システムを構築する場合、同じような監視設定を何度も行う必要があります。ZABBIXでは、一度作成したテンプレートをXMLファイルで出力し、別のZABBIXサーバにインポートすることで設定を移植できます。その設定のエクスポート/インポートの方法を紹介しましょう。
エクスポート/インポートは、テンプレートもしくはホスト単位で行うことができます。対象は、テンプレート、ホストに含まれるアイテム、トリガー、グラフです。
設定をエクスポートするには[設定]→[エクスポート/インポート]より行います。右上のプルダウンメニューよりエクスポートを選択します。設定のエクスポート画面では、現在登録されているすべてのホスト・テンプレートが表示されます。エクスポート対象となるテンプレート名称、関連付けられたテンプレート、アイテム、トリガー、グラフを選択し、画面下の[エクスポート]をクリックすることでエクスポートが行われ、ブラウザを利用しているPC上にzabbix_export.xmlとして保存されます。
エクスポートした設定情報をインポートするには[設定]→[エクスポート/インポート]より行います。右上のプルダウンメニューよりインポートを選択します。[ファイルをインポート]にインポートしたいXMLファイルを指定し、[インポート]をクリックします。
以上で、設定情報がインポートされます。
テンプレートのリンクに失敗するパターンはいくつかあります。
1. テンプレートに登録されているキーが、すでにホストに存在する
テンプレートを登録する際に注意すべきことは、すでに監視対象となるホストに対して同一の監視項目(キー)が登録されていないか、ということです。ZABBIXではキーはアイテムの識別子となっています。そのため、1つのホストに同一のキーを複数登録することはできません。
リンクさせようとしたテンプレートに、すでにホストに登録されているキーが存在した場合、テンプレートのリンクは失敗します。解決策としては、テンプレート、ホストどちらかのアイテムを削除してください。
2. テンプレートに登録されているアプリケーションが、すでにホストに存在する
アプリケーションもアイテムのキー同様、1つのホスト内でユニークである必要があります。そのため、すでにホストに登録されているアプリケーションは、リンクするテンプレートに含めることはできません。解決策として、ホスト、テンプレートに登録されているアプリケーションの名称を変更してください。
テンプレートに合わせてリンク情報もエクスポートする際には、注意が必要です。
テンプレートのリンク情報をエクスポートするには、テンプレートのエクスポート画面で「テンプレート」をチェックしエクスポートします。このとき、インポートするZABBIXサーバに必要なテンプレートが登録されている必要があります。インポート先のZABBIXサーバに必要なテンプレートが登録されていない場合、以下のようになります。
- エクスポートする際にアイテム、トリガー、グラフを選択していた場合
存在していないテンプレートとのリンク情報はインポートされませんが、テンプレートとのリンク情報に代わって、アイテム、トリガー、グラフがホストに直接登録された状態になります。
- エクスポートする際にアイテム、トリガー、グラフを選択していない場合
存在しないテンプレートに属するアイテム、トリガー、グラフはホストには登録されません。
また、設定のエクスポート/インポートでは、「値のマッピング」の設定はエクスポートされません。そのため、値のマッピングを利用する際は、事前にインポート先のZABBIXサーバに値のマッピングを設定しておく必要があります。
エクスポート/インポートするアイテム、トリガー、グラフの総数が多い場合、エクスポートに時間がかかり、PHPのセッションタイムアウトが発生する場合があります。複数のテンプレートをエクスポートする際にタイムアウトした場合、テンプレートを1つずつエクスポート/インポートすることで回避できます。
しかし、もし1つのテンプレートをエクスポート/インポートするときにタイムアウトする場合は、ZABBIXサーバの/etc/httpd/conf.d/zabbix.confにあるmax_execution_timeの設定を増やすことでPHPのセッションタイムアウト時間を調整できます。
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