上記のとおり、Classic ESXとESXiの違いは、その実装形態の違いのみであり、機能や性能、価格体系に関しては同一である。そもそもVMkernelに関してはClassic ESXとESXiでほとんどのコードが共有されており、本質的に同一の製品である。また、購入するときの型番にも区別はなく、vSphere 4の購入者はClassic ESX、ESXiのどちらをインストールして利用しても構わない。ライセンスキーに関しても共通化されており、購入後発行されたライセンスキーはClassic ESX、ESXiのどちらに対してもインストールして利用することができる。
現在販売されているVMware vSphere 4のエディションと機能の一覧は、以下のページより確認できる。
VMware vSphere 4のエディション/機能一覧:
http://www.vmware.com/jp/products/vsphere/buy/editions_comparison.html
vSphere 4のライセンスは「物理CPU単位で課金」というモデルになっている。例えば、2 CPUの物理サーバ4台(計8 CPU)という環境でVMware vSphere 4 Advancedを利用したい場合は、Advancedのライセンスを8個購入するということになる。このとき、物理マシンにインストールされるESXは、Classic ESXであってもESXiであっても構わない。
唯一の例外は「ESXiシングルサーバ」の存在である。「ESXiシングルサーバ」はVMware vSphere 4の最下位のエディションで、無償で提供されている。以下のページより登録することで、ESXiシングルサーバのライセンスを入手できる。
VMware ESXi:
http://www.vmware.com/jp/products/esxi/
ESXiシングルサーバのラインセンスは、その名のとおりESXiに対してのみインストールして利用することができるようになっており、Classic ESXに適用することはできない。ESXiシングルサーバのライセンスが適用されたシステムはさまざまな機能が制限される。vCenter Serverの管理下に入れることができなくなるため、vSphere Clientから直接接続して利用する方法が唯一の利用形態となる。
ESXiシングルサーバと有償版ESXiの違いはライセンスのみであり、ESXi本体のバイナリは共通である。このため、最初は無償のESXiシングルサーバでトライアル的に仮想化を開始し、本格的に展開するタイミングで有償製品を購入しライセンスのみを入れ替えて継続利用する、という進め方もできる。
ESXiの提供形態には2通りあり、それぞれESXi Installable、ESXi Embeddedと呼ばれている。ESXi Installableはユーザーが自身でインストール可能なESXiで、ISOイメージファイルとして提供されている。ESXi Embeddedは物理サーバへの工場組み込みという形態で提供されるもので、エンドユーザーはこれを単独で購入することはできない。どちらも本質的には同一のESXiであるが、ESXi Embeddedはサーバベンダによるカスタマイズが可能となっているため、機種固有のモジュールが必要な場合はESXi Embeddedを選択することになる。
VMware ESXの動作プラットフォームとして互換性の認証を取得している機種は、VMware Compatibility Guideに掲載されている。ESXiの動作に関してもこの中で取り扱われており、サポートされるリリースとハードウェア、ファームウェアの組み合わせを確認できる。VMware Compatibility Guideには以下よりアクセスすることができる。
VMware Compatibility Guide:
http://www.vmware.com/go/hcl
例えば、HPのProLiant DL380 G6の内容をVMware Compatibility Guideで確認すると、Detailsタブより以下のような内容を確認できる(内容は本稿執筆時点におけるもの)。この内容より、DL380 G6はClassic ESXに加え、ESXi Installable、ESXi Embeddedの互換性認証を取得済みであることが分かる。
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