右クリックで表示されるコンテキスト・メニューから[終了]を選択すると、フェード・アウトしながらアプリケーションが終了する機能を、VS 2010を使って「時計」アプリケーションに実装する。まずは、コンテキスト・メニューが表示されるようにしてみよう。
●コンテキスト・メニューの追加
コンテキスト・メニューは、[ツールボックス]ウィンドウの中に([メニューとツール バー]カテゴリの)ContextMenuStripコントロールとして初めから登録されている。次の画面のように、ContextMenuStripコントロールをフォーム上にドラッグ&ドロップすると、フォームのコンテキスト・メニューを追加することができる(なおここでは、追加したContextMenuStripコントロールは、名前を「clockMenu」とした)。
さらに、追加したContextMenuStripコントロールを、フォーム(=Displayクラス)にコンテキスト・メニューとして設定する必要がある。これには、次の画面のように、フォームの[ContextMenuStrip]プロパティの値を「clockMenu」に設定すればよい。
これにより、フォームを右クリックすると、コンテキスト・メニュー「clockMenu」が表示されるようになる。後はclockMenu自体のメニュー項目を追加する。本稿ではアプリケーションを終了するための[終了]項目を追加する。これも、次の画面のように、VS 2010のIDE上で簡単に追加することができる(追加した項目の名前は「menuItemClose」とした)。
以上でコンテキスト・メニューの追加は完了だ。これが正常に動作するかを確認するために、いったんビルドを行い、プログラムを実行してみよう。マウスを右クリックすると、次の画面のように、正しくコンテキスト・メニューが表示されるはずだ。
しかし、終了処理をまだ実装していないので、[終了]をクリックしても実際にアプリケーションを終了させることはできない。次に、アプリケーションを実際に閉じる機能を実装していくことにしよう。
●アプリケーションを閉じる機能の実装
[終了]がクリックされたときに発生するClickイベントを処理するためのメソッド(Clickイベント・ハンドラ)を追加する。これには、次の画面のように、メニュー項目の[終了(X)]をダブルクリックするだけでよい。
これにより、次のメソッドがフォーム(=Displayクラス)のソース・コードに追加される。
private void menuItemClose_Click(object sender, EventArgs e)
{
}
[終了]がクリックされると、このmenuItemClose_Clickメソッドが呼び出される。よって、先ほど調べたアプリケーションを終了する方法(フォームを閉じるメソッド=Form.Closeメソッド)を、このメソッドの中に記述すれば、[終了]がクリックされたときにフォームが閉じられ、アプリケーションが終了するようになる。具体的には次のようなコードを記述すればよい。
private void menuItemClose_Click(object sender, EventArgs e)
{
// フォームを閉じる → アプリケーションを終了する
this.Close();
}
上記のコードにある「this」(C#の場合。VBでは「Me」)は、自分自身のオブジェクト、つまり(Formクラスを継承した)Displayクラスのインスタンスを意味する。よって「this.Close()」というコードは、DisplayオブジェクトのCloseメソッドを呼び出すという意味になる。
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