vSphere 4.1では、サービスコンソールが存在する従来型の ESX(以降Classic ESXと表記)と、サービスコンソールが存在しない新アーキテクチャESXiの両方が提供されているということはこれまでと同様である(詳細はこの記事を参照)。しかし、vSphere 4.1のリリースノートの中で、重要なアナウンスが行われている。それは、次期メジャーリリースでは、ESXiに一本化されるというものである。つまり、vSphere 4.1はClassic ESXが提供される最後のリリースということになる。もしサービスコンソール上での操作や処理に依存した運用を行っている場合は、早めにリモート管理の方式に移行することを推奨する。無償ではない上位エディションを保有しているユーザーも、そろそろESXiへの移行を検討し始めるべき時期に来ていると言えるだろう。
ESX 4.0 ではXeon 7500シリーズは最大4 CPUまでを上限としてサポートしているが、ESX 4.1はXeon 7500シリーズの8 CPU構成をサポートする。これに伴い、単一ESXホストが対応可能な論理CPU数の上限が128までに拡大された(ESX 4.0では最大64)。これは、8コアのCPUを8個装着したシステムでハイパースレッディングを有効化したときの値と一致する。
vCenter Server 4.1はx64アプリケーションとして構築されるようになった。このためサポートされる動作環境はx64版のWindows XP Professional、Windows Server 2003、Windows Server 2008およびWindows Server 2008 R2とされている。
64bit化によりvCenter Serverのスケーラビリティが大幅に拡大され、より大規模な環境に対応可能となった。
vCenter Server 4.0 (32bit) | vCenter Server 4.1 (64bit) | |
---|---|---|
単一のvCenter Serverで管理可能なESXホスト数 | 200 | 1000 |
単一のvCenter Serverで同時にパワーオン可能な仮想マシン数 | 2000 | 10000 |
単一のvCenter Serverに登録可能な仮想マシン数 | 3000 | 15000 |
リンク構成時の最大インスタンス数 | 10 | 10 |
リンク構成時の管理可能ESXホスト数 | 1000 | 3000 |
リンク構成時の同時パワーオン可能仮想マシン数 | 10000 | 30000 |
リンク構成時の登録可能仮想マシン数 | 15000 | 50000 |
表2 vCenter Server 4.1で拡大されたスケーラビリティ |
なお、vCenter Serverの64bit化に伴い、データベースとの接続に用いるDSNも64-bitで構成する必要があるということに注意する。データベースについては32bit版、64bit版の両方をサポートしているが、サポートされる組み合わせの詳細については以下の互換マトリクスに記述されているため、こちらの情報を正式なものとして取り扱いいただきたい。
vSphere Compatibility Matrixes
http://www.vmware.com/pdf/vsphere4/r41/vsp_compatibility_matrix.pdf
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