携帯の醍醐味! 位置情報とGoogleマップを使うにはクラウドとフレームワークで超簡単ケータイ開発(3)(2/3 ページ)

» 2011年03月10日 00時00分 公開
[森俊夫@IT]

FireMobileSimulatorで位置情報を指定して試す

 それでは、連載第1回で紹介した「FireMobileSimulator」を使用し、位置情報を指定して、検索してみましょう。

 Firefoxブラウザの[ツール]→[FireMobileSimulator]→[オプション設定]を選択します。

 オプション設定ダイアログが開きますので、[位置情報設定]を選択します。緯度と経度を設定すればよいのですが、この画面では、位置情報をDMS単位で指定する必要があります。

図2 [Ant Input Request]ダイアログ 図2 FireMobileSimulatorの設定

Googleマップから位置情報を取得するには

 Googleマップで任意の位置情報を取得して設定したいと思います。しかし、Googleマップでは、Degree単位を使用しているため、変換する必要があります。以下に順を追って説明します。

 まず、Googleマップから任意の位置情報(Degree単位)を取得します。Webブラウザで、Googleマップを開き、位置情報を取りたい場所で右クリックし、「この場所について」を選択します。Degree単位で位置情報が表示されるので、コピーします。

図3 Googleマップで眉山を表示 図3 Googleマップで眉山を表示

 ちなみにサンプルの位置は、わが愛する地元、徳島の名山、眉山です。映画化された、さだまさしの小説、「眉山」でも有名ですね。個人的には、この映画にすごい思い入れがあったりなんかします……。

 DMS単位とDegree単位の変換ができる「経度緯度の表示形式変換」のページで、Degree単位をDMS単位に変換してFireMobileSimulatorに設定します。

 「http://localhost:8888/twitter/index」を開き、位置情報を取得して検索します。

つぶやきに位置情報を付与するには

 位置情報が取得できるようになりましたので、つぶやきに位置情報を付与してみましょう。

 まずは「com.hayato.gpstweet.service.TwitterService」のtweetメソッドを以下のようにします。

……【略】……
    // つぶやく
    public void tweet(String message, double latitude, double longitude)
    throws TwitterException {
        Twitter twitter = getTwitter();
        // 緯度と経度から位置情報を作成
        GeoLocation location = new GeoLocation(latitude, longitude);
        // 位置情報を指定して、つぶやく
        twitter.updateStatus(message, location);
    }
……【略】……
TwitterService.Java

 位置情報を付与してつぶやくために、位置情報からGeoLocationクラスを作成して、twitterインスタンスのupdateStatusに設定します。

 「com.hayato.gpstweet.controller.twitter.TweetController」を以下のように編集します。

package com.hayato.gpstweet.controller.twitter;
 
import java.text.MessageFormat;
 
import org.slim3.controller.Controller;
import org.slim3.controller.Navigation;
 
import com.hayato.gpstweet.service.TwitterService;
 
public class TweetController extends Controller {
    private TwitterService service = new TwitterService();
 
    @Override
    public Navigation run() throws Exception {
        // メッセージ
        String message = requestScope("message");
 
        // 緯度と経度を取得
        Double latitude = asDouble("latitude");
        Double longitude = asDouble("longitude");
 
        // 位置情報を指定して、TwitterServiceのtweetを呼び出す
        service.tweet(message, latitude, longitude);
 
        // 位置情報をURLパラメータに設定して、ShowControllerにリダイレクトさせる
        Object[] data = new String[]{requestScope("latitude"), requestScope("longitude")};
        String url = MessageFormat.format("show?latitude={0}&longitude={1}", data);
        return redirect(url);
    }
}
TweetController.Java

 緯度と経度をリクエストから取得して、TwitterServiceに位置情報を渡します。つぶやいた後、ShowControllerにリダイレクトします。その際に位置情報をURLパラメータとして設定します。

 それでは、つぶやいた結果を確認してみましょう。TwitterのHPからツイートを確認します。

図4 Twitterに地図が! 図4 Twitterに地図が!

 位置情報を付与したツイートの場合、つぶやいた場所が地図で確認できます。

地図を画像に変換してくれる「Google Static Maps API」

 次にケータイサイトでも、地図が表示できるようにGoogleマップを使用してみましょう。携帯端末でGoogleマップを表示するために、地図を画像に変換してくれる「Google Static Maps API version2」というWeb APIがあります。

 使い方としては、<img>タグのsrc属性に以下の形式でURIとパラメータを指定します。

http://maps.google.co.jp/maps/api/staticmap
URI
パラメータ 内容 指定例
center 表示する地図の中心点の位置情報を指定(カンマ区切りで緯度と経度) 35.683046,139.686935
zoom 地図のズームレベルを1〜21の範囲で指定 14
size 画像のサイズを指定 300x300
mobile ケータイかどうかを指定 TRUE
sensor GPSなどを利用して地図画像を取得したいときに利用する。ケータイでは使用できないため、本稿では「false」とする FALSE
markers マーカーを指定。フォーマットとスタイルは以下のとおり 下記参照
表2 Google Static Maps APIのパラメータ

markers=【マーカースタイル】|【マーカーの位置】
markersのフォーマット

markersのスタイル

  • size
    「tiny」「mid」「small」または、指定なし
  • color
    「black」「brown」「green」「purple」「yellow」「blue」「gray」「orange」「red」「white」
  • label
    マーカーの中にアルファベット(A〜Z)と0〜9が指定できる
http://maps.google.co.jp/maps/api/staticmap
?center=35.683046,139.686935
&zoom=14
&mapzoom
&size=300x300
&mobile=true
&sensor=false
&markers=size:mid|color:red|35.683046,139.686935
&markers=label:1|size:mid|color:red|35.683090,139.685035
パラメータの指定例(見やすさのために改行して表示しています)

 次ページでは、この「Google Static Maps API」を使ってGoogleマップを表示して、サンプルアプリを仕上げます。

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