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» 2011年08月17日 00時00分 公開

エンジニアが注目すべき新機能はこれだ次世代SQL Server“Denali”の姿に迫る(1)(2/2 ページ)

[加山恵美,@IT]
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エンジニア注目ポイントその1:高可用性

 米マイクロソフトの資料によると、Denaliの新機能は大きく3つのキーワードで表現できる。1つ目は“MISSION-CRITICAL CONFIDENCE”。可用性や性能の強化に関係する部分だ。2つ目は“BREAKTHROUGH INSIGHT”。データをさまざまな方法で表現するBI(Business Intelligence)の機能拡充だ。3つ目は“CLOUD ON YOUR TERMS”。クラウドコンピューティング基盤「Windows Azure」などと連携するシステムを手早く構築することを可能にする機能。言い換えれば、開発者の生産性に貢献するための機能だ。

 この3本柱は今後よく目にすることになるだろう。しかし、この3本柱は広く一般への説明で使う分類となる。北川氏は「ITエンジニアや開発者の関心事からすると、4つの特徴が挙げられます」とし、それそれのポイントを列挙する。

 繰り返しになるが、1つ目は北川氏が最も強調する可用性向上に関する強化点となる。先に挙げた「SQL Server AlwaysOn」だ。さらにプロジェクト「Apollo(アポロ)」と呼ぶ新機能も加わる。これは「Column store index」と呼び、カラム(列)単位でデータの格納、圧縮、インデックス作成を可能とする機能だ。この機能を利用すると、データを格納するためのストレージ領域を縮小できるほか、クエリの処理性能が10倍ほど向上するという。パフォーマンスチューニングの労力も減ると期待できそうだ。

エンジニア注目ポイントその2:セルフサービスBIの拡張

 これは、先述した3つのキーワードの2番目であるBREAKTHROUGH INSIGHTに当たり、2008 R2で強化されたセルフサービスBIの延長、強化にあたると考えていいだろう。なかでもプロジェクト「Crescent(クレセント)」はデータを可視化するツールで、レポートビルダーをさらに柔軟に使えるようになる。

 例えば、プレゼンテーションの間に最新のデータをプレゼンテーションに反映させるといったことが可能になる。これで、幅広い層のユーザーがより表現豊かなレポートを作成できることになるわけだ。

エンジニア注目ポイントその3:開発者の生産性向上

 北川氏が挙げる3つ目のポイントは、開発者の生産性を向上させるための新しい開発環境。コードネームは「Juneau(ジュノー)」。Visual Studio上で「SQL Server Management Studio」のようにデータベースを管理できるようになる。さらに、ローカルネットワークでつながったSQL Serverにあるデータベースだけでなく、SQL Azureにあるデータベースも同時に管理できるようになるそうだ。

エンジニア注目ポイントその4:相互運用性

 最後のポイントはデータの相互運用性だ。これだけは開発コード名はないが、Denaliでは意外なほどオープンソースソフトウェアや他社製品へと手を伸ばしている。例えば、多様なドライバを提供することになっているのが分かる。既存のPHPドライバやJDBCドライバなどに加えて、「ODBC for Linux」の提供も始める。そして、Apache Hadoopと接続するためのドライバも用意するという。

 そして、Oracle Database用のCDC(Change data capture:変更データキャプチャ)も提供する。CDC自体は2008からの機能で、更新履歴を保管するものだ。ただしこれまではSQL Serverにしか対応していなかった。DenaliではOracleにも対応するとのこと。なかなか興味深い。

Denaliの新機能ハイライト

 最後にDenaliの新機能ハイライトをお見せしたい。左から列タイトルを日本語にすると「高可用性」「スケーラビリティとパフォーマンス」「セキュリティと管理の容易さ」「リレーショナルデータベースを超えた機能」「Web対応機能と広い守備範囲」「BI」「企業情報管理」となる。

 今回挙げたエンジニア注目ポイントと照らし合わせると、ポイント1が「高可用性」、「スケーラビリティとパフォーマンス」、「セキュリティと管理の容易さ」となり、2が主に「BI」と「企業情報管理」となる。そして3が「リレーショナルデータベースを超えた機能」と「Web対応機能と広い守備範囲」となり、4がPHP DriverやODBC for Linuxなどのドライバに当たる。

 今回はDenali連載初回ということで主要なポイントをざっと列挙してみた。次回以降は各項目により詳細に迫っていく。


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