8月10日から14日にかけて「セキュリティ&プログラミングキャンプ2011」が開催された。学生たちのキャンプ中の様子や特別講義の模様をレポートする。
8月10日から14日の5日間、大阪で「セキュリティ&プログラミングキャンプ 2011」が開催された。13歳から22歳までの学生60名が集まった。学生である筆者が、当日の様子をレポートする。
「Twitterはバカ発見器と言われている――なぜ人はTwitterやmixiなどで秘密を話すのか?」
8月10日、情報セキュリティ基礎の講義を担当する、サイバー大学IT総合学部准教授の園田道夫氏は、こう問い掛けた。
「例えば、未成年者が飲酒・喫煙を暴露するケースなどがある。情報はすぐに全世界に公開されるにもかかわらず、なぜ自分にとって都合の悪いことを書くのか」
「なぜ、ソーシャルメディアを見ているのが身内・友達だけだと思ってしまうのか」
園田氏の問い掛けに対して、参加者はグループになってさまざまな意見を出した。
「ツイートはフォロワーからしか見られていないという認識があること、そして気軽につぶやけるということが原因ではないか」
「友人などの紹介で始めることが多いので、プライベートなエリアだと勘違いしているのではないか」
このような学生たちの意見について、園田氏は「運営側やシステムの演出がうまいということでしょうか」とまとめつつ、「ユーザーは、システムを信用しすぎている。アクセス制御されていても、システムには必ず穴があると思っておいたほうがいい」 と、セキュリティ意識の重要性を強調した。
続いて、LISPハッカーとして著名な東京大学名誉教授、早稲田大学理工学術院教授の竹内郁雄氏が特別講義を行った。
「ソフトウェアとプログラムって、どう違うか知っていますか?」
竹内氏のこのような質問に、指名された学生は「ソフトウェアは理論で、プログラムは実際に動くもの」と答えた。竹内氏は「それはアルゴリズムとプログラムのような気がする」と答え、「他人に使ってもらうのがソフトウェアで、自分が使うだけでよいものがプログラム」と語る。
「人知れぬところで地べたを這う努力をしなければならない」――竹内氏は大学院生時代のエピソードを紹介する。数学課程のある同期生は、図書室で紙を使ってずっと計算していたそうだ。彼はいつもゼミで問題を簡単に証明して周囲を驚かせていたが、それは地を這うような地道な努力をしていたからこそなせる業であった。「プログラミングでも同じことが言える」と、竹内氏は主張する。
「積極的に努力せよ。どんどんいろんなプログラムを作っていってほしい」
「若い君たちに活躍してほしい。日本を若者の国にしよう」
竹内氏の力強いアドバイスに、参加者は終始、真面目な表情で耳を傾けていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.