ITエンジニアに必要な各種資格情報を解説する「@IT自分戦略研究所 資格辞典」。今回は、IPAが実施する情報処理技術者試験「基本情報技術者試験」を紹介する。
基本情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が行う「情報処理技術者試験」の一つ。経済産業大臣が認定する国家試験である。
情報処理技術者試験は、IT利用者向けの「ITパスポート試験」と、情報処理技術者向けの基本知識や技能を問う「基本情報技術者試験」、応用知識や技能を問う「応用情報技術者試験」、そして9つの専門分野別に高度な知識や技能を問う「高度試験(下図ピンク色の部分)」の計12区分から構成されている。
基本情報技術者試験はそのうち、情報処理技術者の基本的知識や技能を問うもの。高度IT人材(※)となるために必要な基本的知識や技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けているかが判断される。
試験は午前150分+午後150分の計300分。春期(4月第3日曜日)と秋期(10月第3日曜日)の年に2回、実施する。受験料は5700円(税込み)。
出題範囲はテクノロジ(技術)系のみならず、マネジメント(管理)系、ストラテジ(戦略)系まで幅広くカバーしている。
午前試験は、左記区分全般の「知識を問う」試験。
試験時間は150分。四肢択一の多肢選択式。全80問で、1問1.25点の100点満点。
午後試験は、下記試験範囲の「技能を問う」試験。
試験時間は150分。四肢択一の多肢選択式で、全13問中7問を選択して解答する。問いによって点数は異なる。100点満点。
試験範囲は以下の通り。
(1)ハードウエア 数値・文字・画像・音声の表現、処理装置、記憶装置と媒体、入出力装置、命令実行方式、アドレス方式、システム構成など
(2)ソフトウエア OS、ミドルウエア、アプリケーションソフトウエア、言語処理ツールなど
(3)データベース データベースの種類と特徴、データモデル、正規化、DBMS、データベース言語(SQL)など
(4)ネットワーク ネットワーク構成、インターネット、イントラネット、プロトコル、データ通信、伝送制御など
情報セキュリティポリシ、情報セキュリティマネジメント、データベースセキュリティ、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、物理的セキュリティ、アクセス管理、暗号、認証、不正アクセス対策、マルウエア対策(コンピューターウイルス、ボット、スパイウエアほか)、個人情報保護など
配列、リスト構造、木構造、グラフ、整列、探索、数値計算、文字列処理、図形処理、ファイル処理、計算量、誤差など
ソフトウエア要件定義、ソフトウエア方式設計、ソフトウエア詳細設計、構造化設計、モジュール設計、オブジェクト指向設計、Webアプリケーション設計、テスト計画、ヒューマンインタ−フェースなど
プログラミング(C、COBOL、Java、アセンブラ言語、表計算ソフト)、テスト、デバッグなど
(1)プロジェクトマネジメント プロジェクト計画、見積手法、品質管理、スケジュール管理、コスト管理、要員管理、リスク管理など
(2)サービスマネジメント サービスマネジメントプロセス(サービスレベル管理、サービス継続および可用性管理、キャパシティ管理、インシデントおよびサービス要求管理、問題管理、変更管理ほか)、サービスの運用(システム運用管理、運用オペレーション、サービスデスク)など
(1)システム戦略 情報システム戦略(全体システム化計画、業務モデルほか)、業務プロセスの改善(BPRほか)、ソリューションビジネスなど
(2)経営戦略・企業と法務 経営戦略手法(アウトソーシング、競争優位、SWOT分析ほか)、マーケティング(マーケティング理論、マーケティング手法ほか)、企業活動、会計・財務、法務、標準化関連など
午前、午後の得点が両方とも60点以上(100点満点)であること。
合格率は25.8%(平成27年度実績)。
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