2011年10月19日、グーグルからAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich)と同時に搭載端末「Galaxy Nexus」が発表されました。Android 4.0はAndroid 2.xとAndroid 3.xが統合される以上の、さまざまな改善および新機能が搭載されています。
今回は、4.0の新機能を、テーマ別に以下のように44に厳選して紹介します。画像はすべて、「Android 4.0 Platform Highlights | Android Developers」からの引用です。
「Androidビーム」は、NFC対応デバイス間で共有を行うための機能です。ユーザー同士が2つのNFC対応のデバイスを接触することで簡単に、お気に入りアプリ、コンタクト、音楽、動画など、ほとんどのコンテンツを交換可能にします。デバイス同士が数センチ範囲内にあると、システムはNFCの接続を設定して共有のためのUIを表示し、ユーザーは画面をタッチすることで共有が行えます。
例えば、ユーザーは連絡先を交換したり、マルチプレイゲームを開始したり、チャットやビデオ通話に参加したり、写真や動画などを共有したりできます。アプリを共有する場合、Androidマーケットのアプリ詳細ページへのリンクを送ります。リンクが送られた端末上のマーケットアプリは詳細ページを起動し、ユーザーはアプリを簡単にダウンロードできます。
開発者は、ゲームのスコア、マルチプレイゲームの初期化、チャットの開始などを行うために、Androidビームをアプリに組み込めます。またアプリは、共有されるデータと、それがどのように処理されるかを完全に制御できるため、ほとんどすべての相互通信が可能になります。大きなデータの場合、ユーザーにペアリング画面を表示せずにBluetooth経由でもデータを転送できます。
「Wi-Fiダイレクト」は、近くのAndroid搭載端末のWi-Fiを発見して、Wi-Fi経由で直接接続するための機能です。インターネット接続やホットスポット、テザリングは不要です。
開発者は、ユーザーが写真や動画、音楽などのメディアファイルを端末に接続してインスタント共有したり、ビデオ端末やオーディオ端末からストリーミングしたり、プリンタに接続して印刷したりする機能をアプリに組み込めます。
「Bluetooth Health Device Profile(HDP)」は、Bluetooth経由で病院、フィットネスセンター、家庭などのワイヤレス医療機器やセンサに接続できる機能です。さらに4.0では、より高品質のBluetoothオーディオデバイスに接続するために、「Bluetooth Hands Free Profile(HFP)1.6」もサポートしました。
開発者は、病院のセンサ、フィットネスセンター、家庭などのワイヤレスデバイスとの通信にBluetoothを使用する健康管理アプリを構築できます。HDPソースデバイスからデータを収集・管理し、記録システム、データ分析サービスのようなバックエンドの医療アプリにデータを送信できます。
また、近くのデバイスを検出し、データチャネルまたはストリーミングデータチャネルを確立し、データ伝送を管理するためにもBluetoothを使用できます。心拍数モニタ、血圧計、体温計、体重計などのコンティニュア・ヘルス・アライアンス認定デバイスからのヘルスデータを取得・解釈するために任意のIEEE 11073マネージャを供給できます。
Android 4.0では、ユーザーは実行中のアプリがどれぐらいネットワークを使用しているかを見ることができます。また、ネットワークのタイプにより通信量を制限し特定のアプリのバックグラウンドでの通信を無効にできます。
設定アプリでは、カラフルなグラフをネットワークごと(携帯電話網またはWi-Fi)に表示し、各実行中のアプリによって使用されるデータの量を示します。ユーザーはデータプランに基づき、必要に応じ警告レベルまたは厳しいデータ利用制限を設定したり、完全にモバイルデータ通信を無効にしたりできます。
こうしたことから、開発者は、ユーザーが設定したネットワーク利用制限に従うようにアプリを設計する必要があります。アプリが、その目標を達成できるように、4.0のSDKにはネットワークAPIが用意されています。
ユーザーがネットワークを切り替える、または設定された制限に達すると、アプリはプラットフォームにネットワークの種別と可用性を問い合わせることができます。開発者は、動的にネットワーク接続を管理し、ユーザーにとって最高の体験となるよう、この情報を使用できます。
またIntentの新機能によって、設定アプリから直接取り出した情報を基に、自身のアプリ内にカスタムなネットワークとデータ使用量のオプションを構築しユーザーに公開できます。
システムとサードパーティ製アプリをメモリ管理問題から保護するために、4.0では「アドレス空間レイアウトランダム化(ASLR)」を提供します。
開発者は、プラットフォーム上で新しいVPNのAPIと基盤となる保護された資格情報ストレージを使用して、自身のVPNソリューションを構築・拡張できます。
ユーザーの承諾があれば、アプリはアドレスとルーティングルールを設定し、パケットを発着信し、リモートサーバに安全なトンネリングが行えます。企業はL2TPとIPSecプロトコルへのアクセスを提供するプラットフォーム標準のVPNクライアントも利用できます。
4.0のアプリは、認証と安全なセッションの管理が容易になります。新しいキーチェインAPIと、その基盤となる暗号化されたストレージによって、アプリは秘密鍵とそれに対応する証明書チェインを格納および取得できます。
どのようなアプリでもユーザー証明書とCAを安全にインストール、格納するためにキーチェインAPIを使用できます。
4.0には、デバイスポリシーマネージャを使用してデバイスを管理する管理者用の新しいポリシーコントロールが追加されました。管理者はカメラを使われることに対し神経を配らなければならないような環境で作業しているユーザーのために、リモートから管理対象デバイスのカメラを無効にできます(盗撮などの防止のために)。
4.0は、端末保護のためにフェイスロック解除を導入しました。フェイスロック解除は、自分の顔で自分のデバイスのロックを解除する新しい画面ロックオプションです。顔を登録し、デバイスのロック解除をするときに、登録した顔を認識するために内部で顔認識技術を利用しています。ユーザーは単にデバイスを顔の前においてフェイスロック解除を行うか、PIN入力またはパターン入力で解除をします。
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