App Inventorは終わらない―アプリをAndroid Marketに公開するにはApp Inventorでアプリ開発はどこまでできるのか(6)(3/3 ページ)

» 2011年12月22日 00時00分 公開
[多田丈晃株式会社ビーブレイクシステムズ]
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【2】キーストアファイルの作成

 AppToMarketを起動したら、次はキーストアファイルを作ります。Androidアプリをマーケットで公開するためには、アプリの出所を明らかにするための署名が必要です。その署名を行うために出所を記載するのがキーストアファイルです。キーストアファイルの作成は、初回だけ行う作業です。

 なお、ここで作成するキーストアファイルはバージョンアップを行うときに必要になりますので、なくさないように気を付けましょう。

 まず[1> Certificate Details]タブをクリックしましょう。

【3】署名用の情報を入力

 アプリの出所を明らかにするための情報を入力するフォームが表示されます。入力する内容は以下の表にある通りです。なお、入力は全て半角英数字または、半角記号のみを使用してください。

項目名 概要 入力例
Your Name 氏名 Takeaki Tada
Organization 所属 bbreak systems
DepartmentDepartment 部門 Development
City 市町村 Shinagawa
State 都道府県 Tokyo
Country Japan
Key Size キーのサイズ
※2048が推奨
2048
Alias キーストアの別名 myAlias
Keystore file キーストアファイル名
※フルパスで入力
C:\AppToMarket\myKeystores\myks.ks
Key password キーストアのパスワード {任意のパスワード}

 表の内容に従いフォームを入力し、[Generate]ボタンを押すと、キーストアファイルが[Keysotere file]に指定した場所に指定した名称でできます。

【4】APKファイルの作成

 キーストアファイルを作成したら、AppToMarketの操作の前に、まず基になるAPKファイルを用意します。App Inventorのデザイナ画面で公開したいアプリを開き、画面右上にある[Package for Phone]というプルダウンを開き、表示される[Download to this Computer]を選び、APKファイルをダウンロードします。

 ダウンロードしたAPKファイルはAppToMarketのインストールディレクトリにある「myApks」ディレクトリに置いてください。

 実際にマーケットに公開するためのAPKファイルを作成します。AppToMarketで[2> De/Re compile and wrap-up]タブを開きましょう。

 [Browse]ボタンを押し、先ほどダウンロードしたAPKファイルを選びます。

【5】アプリの基本情報の入力

 [1> Decompile]ボタンを押して、[Features]の中身を編集します。各項目の説明は以下の表の通りです。適宜編集してください。

項目名 概要 入力例
Version バージョン(数値のみ入力可) 1
Version Name 表示用バージョン文字列 1.0
Min SDK Ver 最低限必要なAndroid SDKのバージョン 初期状態のまま
Orientation 表示する向き
Install to インストール場所
Screen 表示形式
Normal 画面サイズ
Resizable サイズの変更可能性
App Name アプリ名 MyApp
Key password キーストアのパスワード {任意のパスワード}

【6】マーケット公開用のAPKの完成

 [2> Update Manifest & Create new apk]ボタンを押して、[3> Sign]ボタンを押しアプリに署名します。[4> Verify]ボタンを押しJARを検証します。[5> Zip Align]ボタンを押し最適化を行います。

 以上の手順を実行すると、マーケット公開用のAPKができます。作成場所は先ほどダウンロードしたAPKを置いたディレクトリです。ファイル名はアプリ名の後ろに「_new_zipAlign.apk」が付いたものです。

マーケットに公開しよう

 これで、マーケットに公開するためのAPKファイルが作成できました。マーケットに公開できるAPKさえあれば、後の公開方法は通常のAndroidアプリと変わりありません。ぜひApp Inventorで作ったアプリを世界中に公開してみてください。

連載が終わっても、App Inventorは終わらない

 App Inventorについての連載は、これでひとまずお終いです。本連載の最後で今後もApp Inventorが続くと安心していただければ幸いです。

 今後も安心して使ってもらえるよう、筆者が主催する「日本App Inventorユーザー会」でも情報発信とサポートを続けていきますので、皆さんは思う存分App Inventorを楽しんでください。

著者紹介

多田 丈晃(ただ たけあき)

2008年より、株式会社ビーブレイクシステムズに在籍。

さまざまな現場を渡り歩くさすらいのIT芸人。好物は流行りの新技術。悩みは興味のある新技術があっても研究に手が回らないこと。今はApp Inventorに感銘を受け、日夜研究にいそしむ毎日



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